研究課題/領域番号 |
25461926
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研究機関 | 東邦大学 |
研究代表者 |
新部 譲 東邦大学, 医学部, 准教授 (00372912)
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研究分担者 |
白石 憲史郎 東京大学, 医学部附属病院, 特任講師 (40447404)
山下 英臣 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (70447407)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | oligometastases / oligo-recurrence / sync-oligometastases |
研究実績の概要 |
本年度も、年度途中で(2015年1月から所属変更)、聖ルカ・ライフサイエンス研究所・上級研究員から、東邦大学医療センター大森病院放射線科・准教授へ異動したため、前向き臨床試験の研究ドラフトを再度修正する作業をはじめている。その後、フルプロトコールも作成する。この研究を始めたのちに、前向き臨床試験の基礎資料を大規模に集積する必要があることに研究者間で合意し、12月まで兼務していた聖路加国際病院と東京代諾病院の他、東北大学病院、岡山大学病院も参画して、肺oligometastasesに対する体幹部定位放射線治療(SBRT)の治療成績ならびに予後因子の検討をはじめた。 こちらの4施設共同研究では、3rd ESTRO Forumという権威ある国際学会にて、2015年4月に発表を行った。また、2014年7月には、第12回日本臨床腫瘍学会学術集会(福岡)にて、招待シンポジストとして、「Treatment strategies for oligometastases」のセッションにて、”Oligo-recurrence is the most valuable prognostic factor in patients with oligometastases from NSCLC" と題して発表した。その他、2015年4月に、「腫瘍内科(科学評論社)」から招待著者として、"Oligometastatic Pradigm: 用語と概念の理解を中心に" と題して和文総説(査読有)を公表した。さらに、2014年12月より、公益財団法人日本放射線腫瘍学会ガイドライン委員会からの要請により、2016年度版の放射線治療計画ガイドラインにおいて、新規項目である「オリゴメタスタシス」についてのガイドライン内容の執筆を依頼され、現在、取り組んでいるところである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初の計画の前向き臨床試験については、施設異動のことや、新規エビデンスを取り入れるための多施設遡及的調査研究の実施などにより、遅れてはいるが、よりよい前向き臨床試験が行える体制の東邦大学医療センター大森病院に異動したため(東京大学病院と同一の高精度放射線治療装置を有している)、当初より、さらによい成果が見込めることとなった。さらに、その一環として行った肺oligometastasesの4施設共同研究を3rd ESTRO Forumで今年の4月に発表でき、国際的に権威ある学会で、評価されただけでなく、会場でも高評価を得たので、順調な経過と考えている。また、28th Annual Meeting of the European Musclo-Skeletal Oncology Societyでも、千葉県がんセンターの整形外科と合同で骨肉腫の肺oligo-recurrenceについて発表した。その他も、論文や招待講演などもこなし、当初の見込みより、よい成果を挙げていると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
本年度は、前向き臨床試験のドラフトの書き直し(施設異動によるもの)の他、4施設共同研究の成果を英文論文化して公表することとともに、他の国内外の学会等で発表予定である。また、4施設から拡大し、全国遡及的調査研究も行う予定であり、そちらも、国内外の学会で発表、および英文論文化する予定である。また、食道癌にも、範囲を広げ、5施設共同遡及的調査研究もoligo-recurrenceで行う予定で、研究計画書を作成し、現在、当院の倫理委員会に提出中である。 千葉がんセンターの整形外科とも骨肉腫で昨年度中から共同研究を開始し、本年には、英文論文や学会発表で公表する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
研修代表者の所属施設の異動に伴い、高精度放射線治療機器のスペックが変更となり、再度、研究計画書のドラフトを書き直す必要が出たため。
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次年度使用額の使用計画 |
本年度の中で、前向き臨床試験のドラフトは完成させる予定のため、本年度に使用する。
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