研究課題/領域番号 |
25461926
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研究機関 | 東邦大学 |
研究代表者 |
新部 譲 東邦大学, 医学部, 准教授 (00372912)
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研究分担者 |
白石 憲史郎 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (40447404)
山下 英臣 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (70447407)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 多施設共同研究 / 全国調査研究 / oligometastases / oligo-recurrence / sync-oligometastases |
研究実績の概要 |
本年は、画像誘導放射線治療を用いたoligometastasesの標準治療の確立にとって重要な予後因子について多くの研究成果を出した。 単施設研究に関しては、食道癌oligo-recurrenceについて治療成績を検討し、東邦大学および東京大学に関しては、新部が筆頭演者で、第69回日本食道学会で発表、共同研究者の山下らが、化学放射線療法の有用性を英文論文で公表した(Radiat Oncol 11:4, 2016)。 多施設共同研究は、肺oligometastasesについて主に検討し、研究代表者の新部が筆頭著者で共同研究者の山下、白石らとともに、2施設共同研究の体幹部定位放射線治療の治療成績、予後因子について明らかにした (Anticancer Res 35: 4903-4908, 2015)。この研究は、4施設共同研究(東邦大学, 東京大学, 東北大学, 岡山大学)へと発展させ、101st Scientific Assembly and Annual Meeting of Radiological Society of North America (RSNA)で英語で口演発表を行った。現在、英文論文にもまとめ、採択がJapanese Journal of Clinical Oncologyでされ、online上では、平成28年5月9日付で公開され、Pubmedや雑誌のホームページで全文が読める(OPEN ACCESSにての公開)。これらの成果から、肺oligometastasesでは、oligo-recurrenceであることが最大の予後良好因子であることが示唆されている。現在、81施設が参加予定の全国調査研究を進めていて、より詳細な検討を行う予定である。 肺oligo-recurrenceでも難治性と考えられている骨肉腫については、千葉県がんセンターの岩田らと共同研究を行い、英文論文にて、成果報告している(Ann Surg Oncol 22:s1332-s1338, 2015)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
平成27年度は、肺oligometastasesに関して、予後因子の重要な候補として、oligo-recurrenceが最大の予後良好因子であることを、単変量解析に加え、多変量解析でも証明し、大きな成果をあげた。 予後不良な骨肉腫でも、oligo-recurrenceに加え、腫瘍サイズや追加治療までの期間が1年以上であると予後が良いなどの研究成果も明らかにし、英文論文として、こちらも報告した。 食道癌oligo-recurrenceでは、単施設での学会発表、英文論文化に加え、5施設共同研究(東邦大学、東北大学、東京大学、岡山大学、四国がんセンター)も開始し、平成28年度の成果となるが、9月に米国、ボストンで開催される American Society for Radiation Oncology 2016(ASTRO2016)で、185例のoligo-recurrence例を集めた研究成果を新部が筆頭演者で発表することが決まっている。こちらについても、同時に英文論文化もはじめており、平成28年度中の発表を予定している。 肺oligometastasesに関しては、全国の81施設の協力の下、肺olgo-recurrenceが肺sync-oligometastasesに比べ、どの程度有利な予後良好因子であるかHazard Radtioも求め、証明する予定である。現在、研究遂行中であるが、平成28年度中に国際学会への演題提出を行い、平成29年度には、American Scoiety of Clinical Oncology 2017での発表を検討している。
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今後の研究の推進方策 |
次年度では、食道癌oligo-recurrenceについて、予後良好とされるoligo-recurrenceの中でさらに予後にかかわる因子は何かを明らかにし、英文論文として、前述の5施設共同研究の成果を発表する予定である。 肺oligometastasesに関しては、全国調査研究引き続き遂行し、1000例以上の規模で、予後因子解析を行う予定である。こちらも英文論文に早急にまとめ、世界に向けて、研究成果を発表していくこととする。 上記のことから、肺oligometastasesおよび食道癌oligometastasesの標準治療は、示せると考えている。 さらに、難治性の肺oligo-recurrenceの骨肉腫に加え、難治性の軟部腫瘍についても研究成果を英文論文で公表し、これらの標準治療を世界に発信する予定でいる。
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次年度使用額が生じた理由 |
旅費に関して、大学や他の公益社団法人から取得した研究助成金が本年度はあり、科研費での支出が当初の見込みより減ったため。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度は、世界で評価されている国際学会である 58th Annual Meeting of American Society for Radition Oncology (ASTRO)にて、新部が筆頭演者として発表予定であり、米国のボストンで行われるため、その出張費として使用する。また、英文論文もOpen Accessで発表予定のものがあり、掲載費の経費がかかると見込まれる。
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