研究課題/領域番号 |
25461928
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
小松 哲也 東海大学, 医学部, 講師 (50334769)
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研究分担者 |
株木 重人 東海大学, 医学部, 講師 (00402777)
国枝 悦夫 東海大学, 医学部, 教授 (70170008)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 金ナノ粒子 / 放射線増感作用 / 毒性 / 投与方法 / 腫瘍 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は金ナノ粒子の放射線増感作用について検討することである。金ナノ粒子の放射線増感作用については今だよく判っておらず、もし金ナノ粒子の放射線増感作用をCT画像を用いてシュミレーションすることができれば、より確実な治療法に近づくこととなる。我々はマウスに投与した金ナノ粒子の集積をCTで画像化した上で、そこに照射した場合の線量分布をコンピューターで作成し、その縮小効果や生存期間を対比させることによりこれが達成できると考え実験をおこなった。実験には悪性黒色腫を大腿部に移植したマウスを使用した。投与した金ナノ粒子は、長期間生体内で安定しているペグ化した金ナノ粒子と、通常の高濃度金ナノ粒子の2種類を使用した。また投与方法はマウス尾静脈からの投与と、マウス大腿部の腫瘍を直接刺して注入する方法の2方法でおこなった。各群を5匹とし、腫瘍の縮小効果を経時的に測定して抗腫瘍効果を評価するとともに、生存率についても評価した。実験結果としては、いずれの金ナノ粒子及びいずれの投与方法でもCTで金ナノ粒子の集積を画像化をすることができなかった。また抗腫瘍効果については、経静脈投与群において、いずれの金ナノ粒子においても投与初期に若干の放射線増感作用が認められたが、最終的には有意な結果とはならなかった。加えて、金ナノ粒子には放射線増感効果以外に、薬物そのものの抗腫瘍効果が投与初期において認められた。生存期間の評価では、金ナノ粒子の放射線増感作用による生存期間の延長は認められなかった。また、高濃度金ナノ粒子静注併用放射線照射群で、投与後比較的早い時期にほとんどのマウスが死亡した。
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