研究課題/領域番号 |
25461931
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研究機関 | 大阪医科大学 |
研究代表者 |
吉田 謙 大阪医科大学, 医学部, 講師 (10463291)
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研究分担者 |
上田 麻里 独立行政法人国立病院機構大阪医療センター(臨床研究センター), 放射線科, 研究員 (00626773)
古妻 理之 独立行政法人国立病院機構大阪医療センター(臨床研究センター), 放射線治療科, 研究員 (00641870)
田中 英一 独立行政法人国立病院機構大阪医療センター(臨床研究センター), 放射線治療科, 研究員 (10324774)
隅田 伊織 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (10425431)
新保 大樹 大阪医科大学, 医学部, 助教 (30535018)
山崎 秀哉 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (50301263)
上杉 康夫 大阪医科大学, 医学部, 講師 (80223452)
武中 正 独立行政法人国立病院機構姫路医療センター(臨床研究部), 放射線科, その他 (80626771)
鳴海 善文 大阪医科大学, 医学部, 教授 (90273664)
三宅 俊輔 独立行政法人国立病院機構大阪医療センター(臨床研究センター), 放射線科, 研究員 (90626772)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 小線源治療 / 強度変調 / 標的体積内ブースト / 化学線量計 / 適切なモダリティー |
研究実績の概要 |
本研究における最重要課題である、さまざまな大きさ・形態の標的に対して如何なる小線源治療法(腔内・組織内・ミニ組織内)が最適かという問題について検討を行った。 まず、治療計画装置内に架空の子宮頸癌のモデル腫瘍を描き、周囲に危険臓器(直腸・膀胱を模擬)も描き込んだ。腫瘍は8通りのサイズを想定し、それぞれに腔内照射・画像誘導腔内照射・ミニ組織内照射・組織内照射の4種類のモダリティーで行った場合の想定される線量分布図を作成した。結果は、線量容積ヒストグラムによって評価され、4*3*3 cm以下の腫瘍であれば画像誘導腔内照射、以上であれば組織内照射が腫瘍への線量が十分でかつ危険臓器への線量が低くなるということが分かった。同時に、組織内照射が最も高線量域が少ないことも分かった。これらを論文化し、現在Brachytherapy誌に投稿中である。
また、3次元線量測定が可能な化学線量計の開発については、各種線量計を試験中である。現在有望そうなのが、プラスチックシンチレーションファイバーで、その測定実験と、ファイバーを配置するためのファントムを現在作成中である。また、同時にガンマ線を遮蔽することで有害事象を軽減することができるような金属も検討中であり、ガンマ線遮蔽能が高い(タングステンなど)、アレルギーが少ない(金など)、柔らかく加工がしやすい(チタンなど)などの観点から、実用可能な物質を特定し、それを用いて線量ペインティングの研究を深化させようと考えている。
また、基礎データとなる組織内照射の過去の症例の治療成績を論文化することができた(Brachytherapy誌 査読有)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ファントム実験は遅れている。化学線量計は開始準備が整った段階なので、少し遅れている。 しかし、基礎データとなる組織内照射の過去の症例の治療成績を論文化(Accepted)することができ、バーチャルプラン実験も論文化し投稿することができた。
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今後の研究の推進方策 |
3次元線量測定が可能な化学線量計として、プラスチックシンチレーションファイバーの測定実験を行う。ファントムが完成すれば、それを用いて模擬治療計画を行い、そこにプラスチックシンチレーションファイバーを配置し、治療計画装置上の計算値と実測値の比較を行う。次に、金属遮蔽物を腫瘍と正常組織の間に挿入するという想定で、ファントム内の適切な位置に各種金属を配置し、線量実測を行う。それらの条件設定が整えば、従来以上に正常組織を防御した照射が出来るため、さらに治療計画の精度を向上させ、結果を論文化する。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初、線量計の購入などを今年度に行う予定であったが、線量計の素材でより良いと思われるものが見つかったため(プラスチックシンチレーションファイバーなど)、資料取り寄せなどに時間がかかり予算を使用できなかった。次年度に購入し、研究を行う予定である。
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次年度使用額の使用計画 |
今年度使用できなかった予算については、上記の理由によるものであり、翌年度の予算を合わせてプラスチックシンチレーションファイバーを購入し、研究を行う予定である。また、金属遮蔽の能力を照射実験で確定し、さらに、ファントムを作成して、プラスチックシンチレーションファイバーおよび金属遮蔽物を挿入し、実際の照射実験値と計算値の比較などを進めていく予定である。
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