炭素線を脳局所に照射した際における認知機能低下と脳内毛細血管密度を指標とした解析を実施した。晩発性に神経細胞壊死を生じさせる線量(単回30Gy)をマウス全脳に照射したところ、照射16週間後に記憶に重要な役割を持つ海馬内の選択的な細胞壊死が生じていた。毛細血管密度を指標とした新しい画像分析手法を用いたところ、照射12週間後まで線量及び時間依存的な毛細血管密度の低下が生じており、その変化は認知機能障害が認めれる照射1週間後から検出が可能であることを、世界で初めて見出した。また毛細血管密度の低下は、晩発性に生じる選択的な海馬内神経細胞壊死の領域と関連性があることを明らかにした。
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