研究課題/領域番号 |
25461938
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
海老原 裕磨 北海道大学, 大学病院, 助教 (50632981)
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研究分担者 |
平野 聡 北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50322813)
田中 栄一 北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), 客員研究員 (60374279)
七戸 俊明 北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (70374353)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 腹腔鏡 / 胃癌 / センチネルリンパ節 |
研究実績の概要 |
研究目的は、早期胃癌に対し新規蛍光腹腔鏡システムを用いた術中センチネルリンパ節診断法を確立することである。本システムにて平成25年度、26年度に計6回の動物実験を行い、インドシアニングリーン (ICG: indocyanine green)至適濃度設定ならびに注入経路の検討を行った。動物実験により10μMのICGを胃漿膜下に投与することでquenching現象が回避でき、豚胃のリンパ管及びリンパ節を流れるICGの近赤外蛍光スペクトルと可視光画像と近赤外蛍光画像の合成画像をリアルタイムに取得できることを確認した。全ての実験においてセンチネルリンパ節の検出可能であった。一方、臨床応用を行うにあたり課題も確認できた。術中センチネルリンパ節診断の際に蛍光強度を視覚的・直観的に判断できることが必要である。そのために蛍光強度の定量化を3D画像表示できるようにシステムの改良を行った。さらに観察部位にレーザー光を照射することにより観察部位の確認が容易となった。これらのシステム改良により可視光画像と近赤外蛍光画像の合成画像および蛍光強度3D測定が一画面で表示可能となった。以上の結果を踏まえ、平成27年度より臨床導入していく予定である。本システムにおける臨床試験については、現時点で北海道大学病院と臨床試験を行う倫理委員会への申請準備を行っている。また、本システムの製品化を実現するには腹腔鏡の製造、販売を行っている会社との共同開発が必要と考える。現在、国内大手医療機器メーカーなどと接触し、本システムの製品化を積極的に取り組んでいる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
上記のソフトウェアの高度技術化及び腹腔鏡用の2 種類ファイババンドルの開発により、システム全体の設計構築、組立て改良、試作を完成した。このシステムを使用して、計6 回の動物実験の結果として、ICG の近赤外蛍光スペクトルと近赤外蛍光画像により、全ての実験においてセンチネルリンパ節の検出ができた。平成27年度より、以上の結果を踏まえ臨床導入していく予定である。
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今後の研究の推進方策 |
システムにおける臨床試験については、現時点で北海道大学病院と臨床試験を行う倫理委員会への申請準備を行っており、今後、動物実験を重ね臨床試験に移行していく。本システムの事業・製品化を実現するには腹腔鏡の製造、販売を行っている会社との共同開発が望ましい。現在、国内大手医療機器メーカーなどと接触し、本システムの事業化を積極的に取り組んでいる。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成26年度から平成27年度への繰越金額は9013円であった。この繰越金は当初購入予定であったICG試薬の購入が遅れているために生じたものである。
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次年度使用額の使用計画 |
・ICG試薬の購入。ICG混合用アルブミン製剤の購入。
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