研究課題/領域番号 |
25461941
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
福永 潔 筑波大学, 医学医療系, 講師 (20361339)
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研究分担者 |
田村 孝史 筑波大学, 医学医療系, 講師 (20633192)
横川 雅俊 筑波大学, 数理物質系, 助教 (50447885)
本間 真人 筑波大学, 医学医療系, 教授 (90199589)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 免疫抑制薬 / IL-2 / 薬剤感受性 / テーラーメイド医療 |
研究実績の概要 |
本研究の目標としては、ナノバイオ技術を用いた微小化学分析システムを開発し、微量の血液から短時間かつ簡便に免疫反応の重要な指標であるIL-2を測定することにより、移植患者に対する免疫抑制剤投与量の最適化を図るというものである。今年度の研究実績を以下に示す。 1.健常者から採取した全血に分裂促進因子としてのConAを加えた後に免疫抑制剤であるカルシニューリンインヒビターを投与し、分泌されるIL-2を経時的に測定する手法を確立した。 2.ナノバイオ技術を用いて微小流路内でELISA法を行うことにより、微量の血液から短時間でIL-2を測定する方法を開発中である。流路を含むマイクロチップのプロトタイプは完成した。光ファイバー挿入の自動化・安定化や光源の小型化が今後の課題である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
適切な手順を設定することより,微量の全血を薬剤で刺激し,短時間でIL-2の分泌量を経時的に測定することが可能となり,また,微小流路内でのELISA法の適用も目途がついた.一方,これらを統合した微小デバイスの開発についてはやや遅れている.
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今後の研究の推進方策 |
健常者と移植手術後ですでに免疫抑制剤を投与されている患者とでは、リンパ球刺激への反応が全く異なったものになる可能性があるが、IL-2濃度を簡便かつ連続的に測定できることはIL-2分泌の反応速度を測定することに非常に有用である。今後は臓器移植患者のリンパ球を用いて、当研究で確立されたIL-2測定のデータと、従来のリンパ球増殖を用いた感受性試験、及び臨床データを比較していくことが必要となる。
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次年度使用額が生じた理由 |
デバイス開発が難航し、今年度はセンサ界隈の条件検討に注力することとなり、デバイスの量産およびその性能評価を行うことが出来ず、予算を繰り越すこととなった。しかしながら、問題はすでに克服されており、次年度以降の研究計画への影響はほぼない。
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次年度使用額の使用計画 |
デバイス開発に必要な消耗品を購入する予定である。
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