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2014 年度 実施状況報告書

次世代膵島移植を目指した幹細胞ニッチのカプセル化による膵島再生の研究

研究課題

研究課題/領域番号 25461944
研究機関京都大学

研究代表者

岩永 康裕  京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (80378661)

研究分担者 金宗 潤  京都大学, 再生医科学研究所, 研究員 (10511925) [辞退]
岩田 博夫  京都大学, 再生医科学研究所, 教授 (30160120)
研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード膵島移植 / 膵幹細胞 / マイクロカプセル化 / 膵島再生
研究実績の概要

マイクロカプセル化した中心腺房細胞を取り囲む組織(ニッチ組織)の膵島様細胞塊への再生誘導法を開発する。前年度に確立した組織加工条件を用いて、ニッチ組織をそのままマイクロカプセル化した後、膵内分泌細胞へと分化しうる幹細胞を増殖培養する。これにいくつかの分化誘導シグナルを外から加えて分化培養を試みる。
1.マイクロカプセル化ニッチ組織(膵外分泌・膵管組織)の増殖培養:ゼラチンまたはマトリゲル(GF-reduced)でニッチ組織(膵外分泌・膵管組織)をマイクロカプセル化し、Advanced DMEM/F12培地内で3週間浮遊培養した。結果:ゼラチンカプセルでは、最初の1-2週間はカプセル内組織の増殖が認められ、カプセル内に留まって成長した。しかし、2週を過ぎる頃からカプセル内に留まった組織は萎縮し、一方その他の組織の多くはカプセル外に排出され、お互いに接着し合うことなく膵島様組織を形成した。一方、マトリゲルカプセルでは、マトリゲルと絡まった状態で、3週間分化誘導培地内で、ほぼ一定の組織増殖を認めた。
2.マイクロカプセル化ニッチ組織(膵外分泌・膵管組織)の分化培養:上記の増殖培養したマイクロカプセル化ニッチ組織に、分化誘導シグナル候補と考えられたアクチビン、BMP4を加えてその後2週間ほど継続培養した。結果:細胞塊からbudding outしてきていると考えられるスフェロイドの存在を認めた。
3.サイトメトリーによる細胞解析:これらの細胞塊を酵素Accutaseでシングルセル化し、抗CXCR抗体で染色し、FACS AriaIIで解析した。結果:再生におけるケモカイン受容体CXCR4+細胞を約1割認めた。このことから、培養・分化の方法をさらに最適化することで、より純度の高い膵島様細胞の前駆体を培養できる可能性が示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

マイクロカプセル化した中心腺房細胞を取り囲む組織(ニッチ組織)の膵島様細胞塊への再生誘導法の開発において、分化誘導後に内胚葉系の細胞群をスフェロイドの形で選択培養できることを示唆するデータを得ることができた。培養・分化の方法をさらに最適化することで、より純度の高い膵島様細胞の前駆体を培養できると考える。

今後の研究の推進方策

既報では、部分的にインスリンやグルカゴン産生細胞を含むヘテロな組織塊を作成できるところで留まっているが、これに対して、ゼラチンとマトリゲルの両方の良さを持つマイクロカプセル化ニッチ組織(膵外分泌・膵管組織)から純度の高い膵前駆体を培養する方法を確立していく。そして、再生膵島となったマイクロカプセル化ニッチ組織を糖尿病モデルマウスに移植し、血糖値の安定化を試みる。
もし、再生膵島となったマイクロカプセル化ニッチ組織の移植による糖尿病の治療効果に限界がある場合は、通常の膵島移植モデルにおいて移植膵島を補助する組織としての治療効果を評価する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2014

すべて 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [学会発表] 新しい免疫抑制剤プロトコールでの脳死ドナー膵島移植2014

    • 著者名/発表者名
      岩永康裕
    • 学会等名
      第29回日本糖尿病合併症学会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2014-10-04
  • [図書] 日本移植学会50周年記念誌2014

    • 著者名/発表者名
      岩永康裕、黒田嘉和
    • 総ページ数
      632
    • 出版者
      丸善

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公開日: 2016-05-27  

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