研究実績の概要 |
【背景・目的】多くの器官系のデザインの形成あるいは傷害臓器の修復に必須であるSonic hedgehogは発癌と関連している事が報告されている。最近組織修復との関連が報告されており、今回腸管傷害におけるSHH pathway発現および腸管幹細胞の関連について検討した。 【方法】(1)大腸癌株(HCT-116)を14日間培養しCancer sphereを形成した細胞群(CSC群)とHCT-116細胞株(NCC群)についてシクロパミン投与前後での1,Stemness gene: Oct-4,Nanog,CD44,EpCAM 2,SHHシグナル:Smo Patch1 Gli 3, Tight junction:Claudin-4, Occludin 4. EMT関連遺伝子:E-cadherin, Vimentinの発現をRT-PCRを用いて比較検討した。(2)ラット小腸粘膜細胞株であるIEC-6を用いて5-FU投与による腸管傷害モデルを作成しCell viabilityを検討した。その際のShh pathway関連因子を測定した。 【結果】(1)CSC細胞群でStemness gene、Shhシグナル、tight junctionは強発現した 2, シクロパミン投与でstemness gene(Oct-4, Nanog, CD44), Smo, GliとTight junction発現は抑制。Vimentinは発現が抑制された。E-Cadherinは強発現した。(2)腸管傷害モデルにおいて、5-FU投与後24, 48, 72時間後のGLI1発現は優位に抑制されていた。 【結論】癌幹細胞においてShhシグナルを抑制することで、cancer stemnessを制御しえた。また腸管傷害過程において、Shh pathwayは抑制された事から、今後Shh pathwayを活性化させることで、腸管修復促進に寄与する可能性がある。
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