研究課題/領域番号 |
25461952
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
渡橋 和政 高知大学, 教育研究部医療学系, 教授 (70204295)
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研究分担者 |
井上 喜雄 高知工科大学, 工学部, 教授 (50299369)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 超音波 / 心臓手術 / 低侵襲手術 |
研究概要 |
●3Dエコーの目としての役割 3Dエコーによる描出の質を高めるために、どのような表面素材が適しているかを検討するため、さまざまな材質と表面性状のマテリアルを3Dエコーで観察しながら、超音波の入射角を変化させたときの結像の程度を評価した。また各素材をプレパラートとし、微細構造を撮影し、画像解析を行っている。これまでに、布様の表面性状の場合、入射角にかかわらず明瞭に描出され、しかもサイドローブアーチファクトが著しく減弱して盲点が最小限になることが判明している。 一方、同じマテリアルであっても表面の形状により見え方が異なることを検証するため、最終的に手術器具として用いる可能性が最も高いステンレスを用いて検討することとし、平坦、一方向のみの矩形の溝構造、半円形の溝構造、2方向の溝構造などの形状を有するプレートを作成するため、現在3Dプリンター用に設計図を作るところまで進んでいる。これらのステンレスプレートが完成した段階で、エコーによる可視化の検討を行い、エコーを目とした操作に適した表面素材を決定する予定である。 ●モーターを用いた手術用アームの作成 高知工科大学において、アームの作製に入っており、プロトタイプでモーターの大きさと出せる力との関係を評価し、その上で実現可能という確証を得た上で、小型化に向かって新たなアームを試作していく予定としている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
1)入射角を測定するための測定装置を作成したが、さまざまなマテリアルを固定して測定する際に、マテリアルが浮遊してしまい、何度か試作しながらようやく測定に至った。また、そのマテリアルの微細構造を見ると、繊維状の部分が予想外に多く、その画像処理をどのように進めていくかで検討を要している。それに代わる方法として、設計した幾何学的な表面素材で検討を行う方法に切り替えてその準備をしている。 2)アームの作成にあたっては、小型モーターを用いたアームのプロトタイプを作成するために必要な材料を集める段階で時間を要している。また期待どおりのトルクを産み出すためには、かなり大きなモーターが必要となるため、そのままでは小型化が困難な可能性があり、その問題をいかに克服するかを検討中である。
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今後の研究の推進方策 |
1)新たに始めたステンレスの表面加工の方法により、よりゴールに近い答を得ることが可能となることが予想される。そのモデルを用いて一歩前に進めることを期待している。 2)アームについては、モーターの回転方向と力の方向を変えながら、プーリー機構だけでなく、歯車や圧縮空気などの他のメカニズムも検討の視野に入れることを考えている。
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次年度の研究費の使用計画 |
初年度の研究では、素材の購入にあまり費用がかからず、安価な素材のみで検討を行ってきた。また、まだ研究結果を報告、論文化するに至っていないため、情報収集のための出張に留まっている。 3Dプリンターを用いた試料の作成などを開始するため、これに費用が生じてくる。また、最初の結果報告を2年目から行っていく予定であり、このための出張などに使用していきたい。
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