研究課題/領域番号 |
25461970
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
田中 栄一 北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), その他 (60374279)
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研究分担者 |
海老原 裕磨 北海道大学, 大学病院, 助教 (50632981)
七戸 俊明 北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (70374353)
野路 武寛 北海道大学, 大学病院, その他 (10739296)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 近赤外光 / ICG / 術中イメージング |
研究実績の概要 |
平成25年度に施行した臨床研究:「インドシアニングリーンと近赤外線イメージングシステムを用いた肝胆膵領域のリンパ流の同定、および、同システムの肝胆膵領域手術への応用のための探索的臨床試験」の結果を解析した。 動物実験施行が(動物実験施設の改修のために)不可能であったために、ヒトを対象とした臨床試験をおこなった結果を示す。 蛍光強度のMini-FLAREカウンター値と、signal-to-background ratio(SBR) 10)を1分ごとにプロットし解析した。全例でICG投与後、肝表面の蛍光強度は急速に増加し、15分でほぼ平衡値に達した。しかし従来の方法ではSBR15分値には症例間で大きな差が生じていた。ICGK値と、SBR5、SBR15それぞれとの相関を調べたが、有意な相関関係は得られなかった。肝表面の蛍光強度に影響を与える肝内ICG濃度以外の症例間における条件の差(脂肪肝、肝の線維化など)が影響していると考えられた。これらの影響を排除した解析を行うために、肝表面の蛍光強度の変化とICGKの相関について検討した。15分値に至るまでの変化率に注目しFx/F15(Fx:x分でのROIの蛍光強度)を症例毎に算出。さらに、Lx=Log[{1-(Fx/F15) } x100]という自然対数の式に代入し、縦軸をLx、横軸を時間[分]とし解析した。直線の傾きをS=(L5-L1)/4とすると、直線の傾きとICGK値は有意な相関を示した。この結果から、ICG投与後の肝表面の蛍光強度の変化は、ICGK値と有意な相関を示す、つまりMiniFlareで解析した蛍光強度は、肝機能評価に広く臨床応用されているICGK値と相関することが明らかになった。 上記の結果についてさらに、詳細に検討を行い、論文化を行なっている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ヒトに関する部分は、概ねデーターの解析も終了して、論文投稿に目処がついた。
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今後の研究の推進方策 |
動物実験に関する項目は、動物実験施設の改修に伴い、施行できていない。また、重要な解析ツールであるMini Flareが故障し、現在修理中である。本年度は論文掲載・および成果発表を主たる研究計画とする。またMini Flareの代替としてHEMS(瑞穂医科機器)を導入して、蛍光の定量化を行う方法を検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成26年度8,331円の繰越金が計上された。MiniFlareの故障に伴い動物実験の遅れが生じたことが理由である。
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次年度使用額の使用計画 |
平成27年度に、HEMSを導入するにあたり、付属品購入・ICGなどの薬品購入に充てる予定である。
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