研究課題/領域番号 |
25461971
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
今井 一博 秋田大学, 医学部, 講師 (70396555)
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研究分担者 |
南谷 佳弘 秋田大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30239321)
工藤 智司 秋田大学, 医学部, その他 (80638271)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | リンパ節転移 / センチネルリンパ節 / TGF-β1 |
研究実績の概要 |
これまで、pIRES2-AcGFP1 ベクターを用いてTGF-β1強発現扁平上皮癌細胞株を作成、腫瘍由来のTGF-β1がセンチネルリンパ節の樹状細胞を減少させ、またその免疫逃避機構がリンパ節転移の原因の一つであることを証明、解析した。作成した腫瘍は、AcGFP1を発現しており、容易に生体内で検出可能である。 TGF-β1強発現扁平上皮癌細胞株と空ベクター癌細胞株を,マウスの両耳介に同時移植を行い,そのセンチネルリンパ節の対比から、樹状細胞免疫学逃避機構を研究してきた(マウス耳介に同量接種、2週間後安楽死させ、センチネルリンパ節を摘出、フローサイトメトリーを用いて検討を行った)。TGF-β1強発現腫瘍のセンチネルリンパ節において、CCR7(+)CD86(+)CD11c 樹状細胞の優位な減少を認め、また、そのリンパ節において、リンパ球ホーミングに関わるCCL19、CCL21の発現低下を認め、TGF-β1による樹状細胞遊走能阻害が、転移増加の原因と予想している。しかしながら、未だその証明は不十分であり、さらなる検討が必要である。 マウスセンチネルリンパ節における免疫細胞の詳細な検討の中で、CD27(+)B220(+) memory B細胞の優位な減少が認められた。またサイトカインにおいては、IL-2、IL-5、IL-6、IL-10、TNFα、IFNγは有意差がないものの、IL-4のみが減少していた。B細胞クラススイッチが阻害されている可能性が示された。現在、詳細を検討中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
マウスセンチネルリンパ節における免疫細胞の詳細な検討の中で、CD27(+)B220(+) memory B細胞の優位な減少が認められた。またサイトカインにおいては、IL-2、IL-5、IL-6、IL-10、TNFα、IFNγは有意差がないものの、IL-4のみが減少していた。B細胞クラススイッチが阻害されている可能性が示された。現在詳細を検討中である。しかしながら、当初の目的であるCD4(+)Foxp3(+) regulatory T細胞では、十分な検討ができていない。
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今後の研究の推進方策 |
マウスセンチネルリンパ節において、CD27(+)B220(+) memory B細胞の優位な減少が認められた。最も腫瘍に感作されたリンパ節がセンチネルリンパ節であるとすれば、腫瘍自身が抗腫瘍抗体産生を抑制している可能性は考えられる。Transitional B細胞、Follicular B細胞、Maginal Zone B細胞など、さらなるB cell populationの検討を予定している。
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