この研究では「腫瘍細胞自身が TGF-β1 などの液性免疫抑制因子を放出することにより、センチネルリンパ節(SLN)を免疫抑制状態にしている」という仮説を立て、その免疫逃避機構解明を目指した。TGF-β1強発現癌細胞株をマウス耳介に移植、2週間後にSLN (=TDLN)を摘出し行った検討では、樹状細胞遊走に関わるCCL19、CCL21、活性化T細胞の自己分泌増殖因子であるIL-4の発現減少、各リンパ球phenotypeにおいては、樹状細胞、B細胞、またCD40L+ Tfh cellやその活性分化を示すCD4+CXCR5+CCR7-の有意な減少を認めた。以上から早期免疫記憶の障害が示唆された。
|