甲状腺未分化癌は極めて悪性度が高い腫瘍で治療方法も確立していない。未分化癌の新しい治療戦略の開発を目指して、未分化癌の高い悪性度の要因となる分子を探索すべく、培養甲状腺癌細胞を用いた研究を行った。未分化癌細胞では、EpCAM、CD44 variant isoforms (3と6)、claudin-7の発現増加と高いALDH1活性、さらにEpCAMとALDH1の共発現を認めた。EpCAM、CD44 variant isoforms、claudin-7が複合体を形成して腫瘍の悪性度や増殖を促進することが報告されているが、今回の結果から、未分化癌の高い悪性度にこれらが関与している可能性が推測される。
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