研究課題/領域番号 |
25461978
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
角田 伸行 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (40542684)
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研究分担者 |
梛野 正人 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (20237564)
國料 俊男 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任講師 (60378023)
横山 幸浩 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (80378091)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | Chromothripsis |
研究概要 |
Chromothripsisは1から数本の染色体の限局した領域で何十、何百の染色体断片が無秩序に配列したものである。Chromothripsisは新しい概念であり、その発生機序や機能の解明は十分にすすんでいない分野である。名古屋大学医学部附属病院において切除された乳癌組織でのChromothripsisの探索をおこなったが、Chromothripsisの同定ができなかった。乳癌組織では乳癌細胞以外の細胞の混入により同定できなかった可能性があるため、乳癌細胞株でのChromothripsisの探索をおこなった。しかし、乳癌細胞株においてもChromothripsisの同定ができなかった。乳癌ではChromothripsisの発生頻度の低いことが考えられた。Chromothripsisはアポトーシスが誘導されずに生じた染色体のランダムな再配列が原因の1つと考えられている。Chromothripsisを発生させるために高濃度の抗癌剤を短期間で投与した乳癌細胞株の培養を開始した。また乳癌ではChromothripsisの発生頻度の低く同定できなかったので、発生頻度が高く、4分の1の細胞でChromothripsisが存在すると報告されている骨腫瘍由来細胞株の培養を開始した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
乳癌でのChromothripsisの同定ができていないため、Chromothripsisの標的部位の決定と変異部位を標的にしたsiRNAの開発が行なえていない。そのため、Chromothripsisの変異部位を細胞株NIH3T3へ導入し、増殖能(MTTアッセイ法)、浸潤能(インベーションアッセイ法)、アポトーシス(TUNEL法)への影響を検討も行なえていないため、遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
1.乳癌ではChromothripsisの発生頻度が低く同定できなかったので、Chromothripsisの発生頻度が高い骨腫瘍由来細胞株でのChromothripsisを検討する。またChromothripsisの変異部位と配列を明らかにする。また乳癌細胞株においてもChromothripsisの変異部位の有無をPCR法にて検討する。 2.Chromothripsisの標的部位の決定と変異部位を標的にしたsiRNAの開発:Chromothripsisの変異部位を細胞株NIH3T3へ導入し、増殖能(MTTアッセイ法)、浸潤能(インベーションアッセイ法)、アポトーシス(TUNEL法)への影響を検討し、癌化に重要なChromothripsis変異を同定する。増殖能、浸潤能、アポトーシスへの影響を有するChromothripsis変異を標的にしたsiRNAを作成する。 3.Chromothripsis変異を標的にしたsiRNAの機能解析:乳癌細胞株においてChromothripsisの変異部位を有していれば、それらの乳癌細胞株にChromothripsis変異を標的にしたsiRNAを導入し、発現の抑制効果についてPCR法にて検討する。乳癌細胞株においてChromothripsisの変異部位が存在していない場合、Chromothripsisの変異部位を導入した乳癌細胞株を樹立する。樹立した乳癌細胞株にChromothripsis変異を標的にしたsiRNAを導入し、発現の抑制効果についてPCR法にて検討する。またChromothripsis変異を標的にしたsiRNAを乳癌細胞株に導入し、増殖能、浸潤能への影響などを明らかにする。
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