乳癌患者を対象として、唾液のメタボローム解析を行うことにより新たな乳がん診断法を開発することを目的とした。 乳癌患者90例と健常者20例の唾液を採取し、CE-TOFMS(キャピラリー電気泳動・飛行時間型質量分析装置)を用いて50-1,000 m/zのイオン性代謝物の網羅的な測定を行った。乳癌患者と健常者の間に有意差を認めた代謝物は62物質であった。乳がん患者における濃度が健常者の3倍以上の物質は34物質、10倍以上の物質は4物質であった。 低侵襲かつ低コストにて採取可能である唾液のメタボローム解析により新たな乳癌検診システムの可能性が示唆された。
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