研究課題/領域番号 |
25462000
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研究機関 | 愛知医科大学 |
研究代表者 |
手塚 理恵 愛知医科大学, 医学部, 助教 (20634132)
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研究分担者 |
中野 正吾 愛知医科大学, 医学部, 教授 (20351108)
藤井 公人 愛知医科大学, 医学部, 講師 (00524331)
福富 隆志 愛知医科大学, 医学部, 教授 (30165302)
吉田 美和 昭和大学, 医学部, 講師 (30556098)
安藤 孝人 愛知医科大学, 医学部, 助教 (40634134)
高阪 絢子 愛知医科大学, 医学部, 助教 (50440748)
今井 常夫 愛知医科大学, 医学部, 教授 (80252245)
塩見 有佳子(毛利有佳子) 愛知医科大学, 医学部, 助教 (90465576)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 乳癌 / 甲状腺癌 / 基底膜 / IV型コラーゲン / 転移・浸潤機構 |
研究実績の概要 |
基底膜の主な構成成分であるIV型コラーゲンはアミノ酸末端にある7s領域同士が4分子で会合し、カルボキシル基末端にあるNC領域同士が2分子で結合することによりシート状のネットワークを形成する。近年、分子生物学的解析により、α3(IV)鎖~α6(IV)鎖の4種類のα鎖subtype分子が存在し、免疫組織学的解析より従来から知られている[α1(IV)]2α2(IV)鎖の分子構成よりなる基底膜(classic network)の他に、α3(IV)α4(IV)α5(IV)鎖あるいは[α5(IV)]2α6(IV)鎖の分子構成よりなる基底膜(second network)が存在することが明らかになっている。乳腺組織においては[α5(IV)]2α6(IV)鎖よりなるsecond networkが存在し、良性腫瘍および非浸潤性病変ではsecond networkが保たれ、浸潤性病変ではsecond networkが完全に消失することを報告してきた(Nakano S, Lab invest 1999)。正常甲状腺組織および甲状腺癌(甲状腺乳頭癌58例、甲状腺濾胞癌11例、甲状腺髄様癌2例、甲状腺未分化癌5例)においてIV型コラーゲンα(IV)鎖second networkの発現を免疫組織学的に解析した。正常甲状腺濾胞周囲に[α1(IV)]2α2(IV)とともにα3(IV)α4(IV)α5(IV)鎖よりなるsecond networkが断片的に存在していたが、[α5(IV)]2α6(IV)鎖は存在しなかった。甲状腺癌においては甲状腺乳頭癌88%、甲状腺濾胞癌91%においてsecond networkが保たれていたが、髄様癌、未分化癌においてはいずれもsecond network発現を認めなかった。一般に予後がよいとされる分化型甲状腺癌(甲状腺乳頭癌、甲状腺濾胞癌)においてsecond networkが保たれていたことより、甲状腺癌の分化度や転移浸潤能とsecond networkの発現が関連している可能性が示された(unpublished data)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
おおむね順調に進行している。
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今後の研究の推進方策 |
#1 甲状腺においては今後症例数を増やし、解析を継続する。 #2 今後IV型コラーゲンsubtypeのmRNAの組織内局在やIV型コラーゲンsubtypeの消失している分化が低い充実・索状・島状構造部におけるBRAFやRET/PTCの変異がみられるかどうかにつき、遺伝子解析を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
人件費・謝金を使用しなかったため。
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次年度使用額の使用計画 |
平成27年度に組織採取のための生検装置の購入、PCRのためのプライマー、消耗品をあらたに購入する。
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