優れた再生医療材料である羊膜の特性を模倣し、かつより安全で機能的な再生医療材料を作製するための基礎的検討を行った。本研究においては、羊膜幹細胞の培養上清(Conditioned Medium:CM)をアルカリ処理や酸処理ゼラチンまたその混合物に含浸させて作成した材料の癒着防止や腹膜再生効果について検討を行った。培養実験の結果から、CMは中皮細胞の増殖を促進する効果を有し、CMを5-10倍程度濃縮することでその効果を向上できることが分かった。ラットでの盲腸癒着モデル実験の結果より、濃縮CMを含浸させたアルカリ処理ゼラチンゼラチンをfreeze dryしたものの効果が最も優れていることが分かった。
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