研究課題
近年、種々の細胞からmicrovesicles (MVs)が放出されることが知られている。MVsには受容体タンパク、タンパク分解酵素、miRNA、mRNAなどが含まれ、ドナー細胞からMVsが標的細胞へ伝播され標的細胞に様々な機能変化をもたらす。われわれは以前、高転移性乳癌細胞株(BJMC3879)ではVEGF-Cの発現が強く、低転移性乳癌細胞株(BJMC338)では低いことを報告した。VEGF-C は産生後多段階のプロセッシングを受け中間型を含む多段階の型で細胞外に分泌されることが知られているが、各々の細胞培養上清より得たMVs にはprecursor VEGF-C が含まれていた。MVsの伝播実験において、VEGFR3(VEGF-C受容体)を発現している内皮細胞は両細胞株のMVs を取り込んでtube formationが促進、またphospho-Aktが発現亢進するなど、VEGF-C/VEGFR3系が機能することが確認された。すなわち、転移性の異なる2種類の乳癌細胞が分泌するMVs に含まれるprecursor VEGF-C は内皮細胞に同じように作用し、両細胞のMVsで差は認められなかったので今回は高転移性乳癌細胞におけるautocrine作用を検討した。その結果、高転移性乳癌細胞はVEGFR3を発現しており、自らが分泌したmicrovesiclesを取り込み、増殖が亢進した。すなわち、precursor VEGF-Cをautocrineにより利用していると考えられた。
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