研究課題
基盤研究(C)
本年度は乳癌原発巣と骨転移巣における各種タンパク質発現(ホルモン受容体、HER2、Ki67、CD133、CD44、ALDH1、Nucleostemin)の変化の有無に関する検討を計画した。免疫組織染色法による解析を実施するため各種抗体を購入した。現在それぞれの抗体における染色条件の検討を順次行っており、いくつかは決定している。カルテ調査から当院において乳癌骨転移巣の切除が36例に対して施行され、このうち当院にて原発巣切除も行われた症例が計19例存在することを確認した。これらの症例のホルマリン固定パラフィン標本の薄切スライドを作成中である。幹細胞マーカーのひとつであるNucleosteminに関して、免疫組織法による原発巣での発現を検討した結果、重要な予後因子であることが明らかとなり論文化することが出来た。
3: やや遅れている
免疫組織染色法の条件設定を行うにあたり、脱灰処理が行われた骨転移切除標本での染色がうまくいかずかなりの労力を必要としている。引き続きこの検討を進めていくものの、並行して遺伝子発現の検討やマウスモデルでの検討も進めていきたいと考えている。
引き続き臨床検体を用いた各種マーカーのタンパク発現を検討する。また同検体からRNA抽出を行い、原発巣と骨転移巣での遺伝子発現の変化についても検討を開始する予定です。さらに、我々の樹立した高骨転移細胞株を用いたマウスでの研究も準備をすすていく。
本年度は臨床検体を用いた免疫組織染色法によるタンパク発現解析と、同じく臨床検体を用いた遺伝子発現解析を実施する予定であったが、免疫組織染色による検討に時間を要したため、遺伝子発現解析に使用する予定であった研究費がもちこすこととなったため。次年度では免疫組織染色による検討を進めるとともに、並行して遺伝子発現解析を実施する計画であり、研究費をこれに充当する予定である。またマウスモデルを用いた検討も進めていきたいと考えている。
すべて 2014 2013
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件) 図書 (2件)
BMC Cancer
巻: 14 ページ: 215
10.1186/1471-2407-14-215
PLoS One
巻: 8(5):e63249 ページ: e63249
10.1371/journal.pone.0063249