研究課題/領域番号 |
25462009
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
亀井 尚 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (10436115)
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研究分担者 |
中川 智彦 東北大学, 大学病院, その他 (00646804) [辞退]
権田 幸祐 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (80375435)
大内 憲明 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (90203710)
手島 仁 東北大学, 東北メディカル・メガバンク機構, 助教 (90579749)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 蛍光内視鏡 / 蛍光プローブ / リアルタイムイメージング / 蛍光クリップ |
研究実績の概要 |
本研究は、蛍光シグナルを高感度に検出する新規の内視鏡外科手術システムを開発、応用することを目的としている。平成26年度の研究実績は以下の通りである。1.蛍光プローブ特性の解析と新規開発蛍光特性(蛍光強度・蛍光保持)がICGより優れ、より明るくより深い部位でもシグナルを検出可能な新規蛍光色素の開発を行っている。量子ドットは無機物で重金属を内包していることから、生体に及ぼす影響が少ないと思われる有機系材料で、蛍光プローブの開発を引き続き行った。試作品では蛍光強度はICGよりも数倍高いことを確認した。 2.消化管クリップへの蛍光特性の付与と外環境との作用:量子ドットをプローブとし、外径2mmのステンレス製の内視鏡クリップ基部のシース部にこれを内包、担持させた蛍光クリップを作成した。同様に新規で開発中の蛍光粒子を担持させたクリップも作成した。実際の臨床で応用されるとすると消化液との作用や時間経過による影響も重要になると思われる。量子ドット担持クリップについては、時間経過での変化はほとんど認めないことを確認した。消化液との影響については、pHを変えた溶液での変化を検討中である。3.蛍光内視鏡の改良:すでに作成している基本装置について、引き続き励起光の高出力化と多波長に対応するバンドパスフィルターの改良を行った。 4.動物モデルでの検討:ブタをモデルとして、作成した量子ドット蛍光クリップのシグナルを消化管外から蛍光内視鏡で測定、解析した。新規蛍光粒子のクリップはまた、ICGだけでなく新規粒子を局注した場合のリンパ管流出や滞留時間を検討した。組織深度で検討し、解析した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定した研究工程のうち、新規蛍光物質の開発は途上であるが、すでに完成の見込みがある。他の研究実験は、生体内の安全性評価以外は、予定通り進行しており、結果も出ている。
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今後の研究の推進方策 |
①蛍光プローブ、蛍光クリップの改良(A)蛍光特性の優れた新規蛍光粒子を完成させ、特性を改良する。(B)作成した蛍光クリップの消化液との干渉、蛍光シグナルに与える影響について検討し、最適な使用条件を決定する(C)蛍光粒子の生体内の安全性を検討する ②内視鏡手術に対応する蛍光計測装置の開発・工夫 引き続き、励起光出力調整やバンドパスフィルターの改良による計測装置の最適化を行う。さらに、取り扱いが容易な装置へ改良する。 ③動物モデル(ブタ)での内視鏡下蛍光計測 (A) 新規蛍光プローブの組織投与部位と検出能について、時間、濃度などの最適条件を決定する。これを従来の量子ドットと比較させ、使用法の最適化を決定する。(B)蛍光クリップモデルの種々の状況を検討し、蛍光検出に最適な条件を決定する。④臨床応用の検討(特に安全性)臨床応用に向けて、新規プローブの生体内の安全性に関して検討を行う
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次年度使用額が生じた理由 |
現有設備の改良や新規蛍光プローブの作成に、それほど苦労せずに取り組めたことと、動物実験の数が予想より少なく、次年度に繰り越しとした。
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次年度使用額の使用計画 |
新規蛍光物質の完成と改良、内視鏡システムの改善、生体内安全性を検討する動物実験、蛍光特性を評価する大動物実験に使用予定である
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