食道癌におけるBAP1遺伝子変異およびBAP1遺伝子を含む染色体領域の欠失を初めて確認した。F170I変異例ではBAP1遺伝子座が広汎にLOHを来していることが確認され、両alleleとも不活性化していた。HCF1を基質として脱ユビキチン化能を評価し、wildに比べて有意に低下していた。自己脱ユビキチン化能も評価し、低下していた。wildでは核内に存在しているのに対し、F170Iは細胞質に存在していることが確認した。マイクロアレイ解析で、wildとF170Iでは癌化経路に関係する遺伝子発現に有意な差が認められた。切除標本において、食道扁平上皮癌の約40%にBAP1陰性例があることを確認した。
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