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2013 年度 実施状況報告書

リンパ節転移抑制剤開発による新規固形癌治療戦略

研究課題

研究課題/領域番号 25462012
研究種目

基盤研究(C)

研究機関秋田大学

研究代表者

本山 悟  秋田大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (60292372)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワードC反応性蛋白 / 腫瘍関連マクロファージ / 血管新生
研究概要

C反応性蛋白(CRP)は腫瘍関連マクロファージのうち、炎症性マクロファージ(M1 phenotype)を増加させ、腫瘍免疫抑制/腫瘍細胞増殖促進マクロファージ(M2 phenotype)を減少させる事により、リンパ節転移を抑制するのではないかとの仮説を証明するため、以下の実験を行った。
NR-S1M 5x106cellsを接種したマウスにCRP 1μg あるいは PBSを2日ごとに皮下注、計15回の皮下注を行い、31日目に犠牲死させ、腫瘍サンプルを採取した。腫瘍を2分割し、一方をOTCコンパウンドに包埋し、凍結切片を作成して組織学的検討に供した。もう一方はタンパク定量、mRNA定量に供した。
結果、CRP投与マウスでは総マクロファージが増加した。一方M2 phenotypeは変化なく、マクロファージ全体に占めるM2 phenotypeは有意に減少した。また、IL-4, IL-10, CSF mRNAを定量し、MonocyteをM2 Macrophageに分化させるCSF mRNAがCRP投与群で有意に減少していることが判明した。腫瘍血管新生、壊死に関しても検討した。その結果CD31陽性血管がCRP投与群で有意に減少し、血管新生が抑えられることが判明した。
以上より、CRPはマクロファージ全体に占めるM2 phenotypeは有意に減少させ、癌進展を抑えることを証明した。CRPを用いた今後の治療戦略が期待される。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の予定から研究方法は離れたものの、目的に沿って研究は概ね順調に進展しており、このまま継続する。

今後の研究の推進方策

CRP皮下注製剤によるがん進展機序の解明と共に、経口剤を用いた同様の研究を予定している。

次年度の研究費の使用計画

研究方法が当初の予定から変更となり、今年度はCRPによる癌進展抑制機序の研究が中心となった。研究費用が最も必要となるCRP経口投与実験は次年度以降に延期されたため次年度使用額が生じた。
CRP経口投与により癌進展抑制効果が同様に得られることをマウスを用いた動物実験で検討する。

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公開日: 2015-05-28  

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