研究課題/領域番号 |
25462018
|
研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
大井 正貴 三重大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (40418752)
|
研究分担者 |
問山 裕二 三重大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (00422824)
楠 正人 三重大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50192026)
毛利 靖彦 三重大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (70345974)
|
研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
キーワード | 胃癌 / リンパ節転移 / 遠隔転移 / lncRNA |
研究実績の概要 |
癌転移メカニズムの解明と克服法の確立は生命予後改善に大きく貢献する。癌細胞原発巣からの遊離、転移巣での接着、浸潤と増殖、血管新生の各過程に多数の転移促進・抑制分子群が関与している。そこで我々はこれまでに胃癌リンパ節転移のメカニズムを解明するために、転移形成に関与する有用性の高いlncRNAの検索を施行し、リンパ節転移、さらには腹膜播種転移と強く相関を認めるlncRNA Xを多数サンプルの原発巣発現解析から同定することができた。このlncRNA Xは、正常粘膜と比して胃癌組織において、高発現を示すことを、qRT-PCR、ならびにin situ hybridizationで確認し、さらに生存期間の独立予後規定因子を示すだけでなく、腹膜播種転移の独立危険因子を示した。さらにそのlncRNA Xの胃癌細胞における機能解析を進めるため、lncRNA X高発現胃癌細胞株2細胞を用いて、siRNA transfectionを行い、増殖、浸潤、遊走能への関与を検証した。さらにin vivoの実験系においてlncRNA Xの増殖への関与を検証している。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
in vivoの検証ではlncRNA XはXenograftの腫瘍増大の関与を示し、腹膜播種への進展に大きな影響を与えることを証明した。更に、新たなコホートサンプルを用いて、胃癌組織中のlncRNA X発現解析のために、FFPEサンプルからtotal RNAを抽出し、その発現定量を行っているところである。
|
今後の研究の推進方策 |
複数のコホートサンプルを用いて、lncRNA Xの臨床病理学的因子との関連を検証し、予後、再発ならびにリンパ節転移、腹膜播種転移を診断するバイオマーカーとしての意義と再現性の検討を加える予定である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
研究計画が順調に遂行し、予定していた研究費の使用額が減じたことによる。
|
次年度使用額の使用計画 |
試薬、消耗品に使用をする予定である。
|