癌細胞株を用いての網羅的な解析ではなく、臨床検体を用いて解析すべき癌関連遺伝子を検索した。 PD-1(Programmed cell death-1)/ PD-L1経路で、PD-L1はHIF-1の標的遺伝子であることに着目し、直腸癌で術前放射線療法(CRT)による(治療前)生検材料および手術標本を用いてHIF-1、PD-L1の発現の変動を解析した。CRTにより直腸癌組織中のHIF-1とともにPD-L1の発現増強がみられ、HIF-1によるPD-L1発現誘導が推測された。PD-L1発現は腫瘍細胞では全生存期間の不良因子であり、腫瘍周囲のリンパ球(免疫細胞)ではリンパ節転移を抑制する可能性が示された。
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