研究課題/領域番号 |
25462020
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
白川 靖博 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (60379774)
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研究分担者 |
藤原 俊義 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (00304303)
野間 和広 岡山大学, 大学病院, 助教 (10534761)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | がん微小環境 / がん関連線維芽細胞 / 食道がん / 新規治療法 |
研究実績の概要 |
本研究は、癌細胞の転移の過程において「循環血液中のがん微小環境が重要な役割を果たしている」という新たな概念を検証し、新規治療法を開発することを目的とする。初年度である平成25年度は食道癌患者検体においてcCAFやの解析を行う予定とした。FACSにてFAP(Fibroblast Activation Protein)陽性、N-cadherin 陽性、CD45陰性をCAFとして計測した。手術または食道癌に対する抗癌剤治療前の患者10検体においてcontrol群の健常人10名と比べ有意(P=0.012)にcCAF数の増加が確認された。CAFのspecific markerとして用いるFAPは分泌型淡白酵素でもあるため簡便なbiomarkerになり得る可能性がある。そこで患者検体に上記のcCAFのFACSと同時にFAPのELISA 検査を追加する方針とした。まずin vitroにて活性化線維芽細胞であるCAFの上清においてFAPの過剰発現を確認した。in vivoにおいてはマウス皮下腫瘍モデルにおいては血中では検出されなかった。しかしながら健常人の血中にFAPがある程度確認されることが確認されたため、担癌患者でのFAPがcontrol群に比べ変化があるかは確認可能と考えている。次年度の平成26年度においては、食道癌患者の追加30検体に対してcCAFのFACS、FAPのELISAを用いた検討を開始した。現在までに9症例にFACSを行った。現在症例を集積中である。FAPのELISAについては症例の集積したところで行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
初年度である平成25年度は食道癌患者検体においてcCAFやの解析を行う予定とし、FACSにてFAP(Fibroblast Activation Protein)陽性、N-cadherin 陽性、CD45陰性をCAFとして計測した。手術または食道癌に対する抗癌剤治療前の患者10検体においてcontrol群の健常人10名と比べ有意(P=0.012)にcCAF数の増加が確認された。CAFのspecific markerとして用いるFAPは分泌型淡白酵素でもあるため簡便なbiomarkerになり得る可能性がある。そこで患者検体に上記のcCAFのFACSと同時にFAPのELISA 検査を追加する方針とした。まずin vitroにて活性化線維芽細胞であるCAFの上清においてFAPの過剰発現を確認した。in vivoにおいてはマウス皮下腫瘍モデルにおいては血中では検出されなかった。しかしながら健常人の血中にFAPがある程度確認されることが確認されたため、担癌患者でのFAPがcontrol群に比べ変化があるかは確認可能と考えている。次年度の平成26年度においては、in vivoでの転移モデルでの検討を予定していたが、食道癌患者の追加30検体に対してcCAFのFACS、FAPのELISAを用いた検討を開始し、現在までに9症例にFACSを行った。症例を随時集積中であるが、次年度の平成26年度までに症例の集積を行う予定としていたため、やや予定より遅れている状況であると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
次年度である平成27年度においては、症例の集積を継続するとともに平成26年度に行う予定であったin vivoを中心とした検討を開始する予定である。CAF細胞との共培養がマウスモデルでの易転移性を誘導すること実証し、さらにPITを用いてCAF細胞を制御することによる易転移性の抑制効果を検討する予定である。以上の検討項目については症例の臨床病理学的検討結果やin vivoの検討結果を学会等や論文での発表も予定している。
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次年度使用額が生じた理由 |
倫理委員会の承認手続きが遅れたため、食道がん患者の臨床検体を用いたcCAFのFACSやFAPのELISA等の実験を本格的に開始することができなかったため。
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次年度使用額の使用計画 |
昨年度施行できていなかったcCAFのFACSやFAPのELISA等の実験を食道がん患者の臨床検体を用いて行う予定。
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