研究課題/領域番号 |
25462022
|
研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
檜原 淳 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 講師 (10322744)
|
研究分担者 |
岡田 守人 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 教授 (70446045)
|
研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
キーワード | 食道癌 / 化学放射線療法 / micro RNA / 腫瘍免疫 |
研究実績の概要 |
われわれは化学放射線療法において,腫瘍局所における特異的免疫反応が抗腫瘍効果に重要な役割を担っていることを明らかにしてきた。T細胞が腫瘍細胞を攻撃するためには,腫瘍細胞にMHCクラスI分子と接着分子が発現している必要があるが,腫瘍細胞ではこれらの発現が消失~低下している。microRNAのmiR-222およびmiR-339は腫瘍細胞における接着分子ICAM-1の発現抑制作用を有している。本研究はDicerを介してmiR-222およびmiR-339を制御することで,食道癌細胞株における化学放射線療法の効果増強作用を検証し,さらに臨床応用することを目的とする。 今回,これまで行ってきた実験手技を応用し,1) 食道癌細胞株におけるmiR-222, miR-339抑制によるICAM-1分子の発現増強,2) 化学療法あるいは放射線照射実験系におけるmiR-222, miR-339抑制による抗腫瘍効果の増強,3) miR-222, miR-339制御の臨床応用の可能性について明らかにする予定である。 現在,第一段階として,外科切除材料を用いて実際の腫瘍におけるICAM-1分子の発現およびHLA-A1分子の発現,Dicer分子の発現状況を免疫染色にて評価している。また,腫瘍浸潤リンパ球のサブセット(CD8,CD4)も解析しているところである。 同時に,食道扁平上皮癌細胞株におけるMHCクラスI分子およびICAM-1分子発現のスクリーニングを平行して行っている。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
腫瘍組織の解析は術前無治療の症例で行う必用があるが,進行癌症例が多く,術前無治療の外科切除標本が少なかったため,解析対象の収集が遅れている。
|
今後の研究の推進方策 |
引き続き,外科切除材料を用いた実際の腫瘍におけるICAM-1分子の発現,HLA-A1分子の発現,Dicer分子の発現状況および腫瘍浸潤リンパ球のサブセット(CD8,CD4)の解析を継続する。 さらに,食道扁平上皮癌細胞株におけるMHCクラスI分子およびICAM-1分子発現のスクリーニングおよびmiR-222, miR-339, Dicer発現の測定を行い,Dicer制御の実験へと展開する予定である。
|