癌細胞表面に発現するCD24が胃癌の悪性因子の一つとなり得るのではと考え研究を行った。CD24陽性細胞は細胞接着能・運動能・浸潤能が高くCD24は胃癌細胞の浸潤能維持に必須の因子と考えた。またCD24は低酸素環境下で発現誘導し、低酸素環境下で運動能、浸潤能もそれぞれ1.4倍、1.3倍に亢進した。その発現誘導にはHIF-1αおよびHIF-2αが関与していた。免疫組織学的解析ではCD24は胃癌の予後不良因子であり、HIFs発現と有意な相関を認めた。以上よりCD24は胃癌の多様性を規定するマーカーとしてだけでなく胃癌細胞悪性化マーカーとなり得ると考え新たな標的因子の一つとなる可能性があると考えた。
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