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2014 年度 実施状況報告書

正常胃粘膜上皮および胃癌におけるSPINK1の機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 25462029
研究機関熊本大学

研究代表者

尾崎 宣之  熊本大学, 医学部附属病院, 非常勤診療医師 (40551255)

研究分担者 石本 崇胤  熊本大学, 医学部附属病院, 非常勤診療医師 (00594889)
大村谷 昌樹  熊本大学, 学内共同利用施設等, 准教授 (60398229)
渡邊 雅之  公益財団法人がん研究会, その他部局等, 食道担当部長 (80254639)
橋本 大輔  熊本大学, 医学部附属病院, 診療講師 (80508507)
研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワードPSTI / SPINK1 / EGFR / 胃癌
研究実績の概要

SPINK1は膵臓以外にも消化管や泌尿器系、生殖器系にも発現が見られる。膵臓以外に胃におけるSPINK1の発現系を解析し、同時に胃癌においても解析を進めている。以前より SPINK1 は胃粘膜細胞に発現し、胃粘膜の保護および潰瘍部位の創傷治癒促進に働いているとの報告はある。免疫染色により各種の染色を行ったところ、胃においては陰窩に特に強く発現を確認され、幹細胞の性質を持つ細胞に発現している可能性を示唆させた。胃癌においては高分化型に特に強く発現しており、未分化な癌に関してはほとんど発現を認めなかった。
SPINK1のマウスホモログであるSpink3欠損マウスはすでに樹立している。このマウスは生後 2 週間以内に全例死亡するため、われわれは更なる解析を進めるため、このマウスにSPINK1 minigineをcre-loxシステムを用いてのノックインに成功し、膵臓でのみSPINK1が発現するコンディショナルKOマウス 4ラインを新たに樹立した。
8週齢においての表現型を解析すると、膵臓においてSPINK1の発現とSpink3がnullの状態を維持していることを確認した。胃・小腸・大腸・精嚢・腎でもSpink3がnullの状態を確認できた。
膵でSPINK1が発現するとSpink3がnullの状態でも生存可能であり、交配・継代も可能であることが確認できた。他臓器でも確認を行ったが、外的刺激を与えない生理的な状態では、胃・大腸に明らかな炎症や腫瘍等の発症は認められなかった。今後、各臓器に刺激を与えることでの変化を確認していく予定である。
新規レセプターに関してEGFR以外に有効な受容体を同定できておらず、更なる解析を進めていく必要があるが、抽出したSPINK1と結合するタンパクを、再び液体クロマトグラフ・質量分析計(LC-MS)を用いて網羅的に解析を進めている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

膵臓でのみSPINK1が発現するマウスの作成が大幅に遅延し、計画が大幅に後れを取ってしまった。SPINK1は胃において陰窩に強発現し、幹細胞の性質を持つ細胞に発現している可能性を示唆させた。胃癌においては高分化型に特に強く発現しており、未分化な癌に関してはほとんど発現を認めなかった。
膵臓でのみSPINK1が発現するコンディショナルKOマウス 4ラインを新たに樹立。
8週齢においての表現型を解析すると、膵臓においてSPINK1の発現とSpink3がnullの状態を維持していることを確認した。胃・小腸・大腸・精嚢・腎でもSpink3がnullの状態を確認できた。
膵でSPINK1が発現するとSpink3がnullの状態でも生存可能であり、交配・継代も可能であることが確認できた。他臓器でも確認を行ったが、外的刺激を与えない生理的な状態では、胃・大腸に明らかな炎症や腫瘍等の発症は認められなかった。
新規レセプターに関してEGFR以外に有効な受容体を同定できていない。更なる解析を進めていく必要がある。

今後の研究の推進方策

今後は、上記で作成した膵臓でのみSPINK1発現をレスキューしたマウスとGan mouse: K19-Wnt1/C2mE mouseをかけ合せることで、Spink3 (SPINK1) がnullの状態での発癌モデルマウスの解析が可能となる。Spink3 (SPINK1)が発癌に関与しているのであれば発癌が抑制されるはずである。また細胞増殖・浸潤に関与している場合は、増大・進展が抑制されはずである。上記表現型を確認のうえ、腫瘍形成に関わるシグナルをEGFRの発現と併せて様々な経路を解析したいと考え、進行中である。
新規レセプターに関してEGFR以外に有効な受容体を同定できていない。更なる解析を進めていく必要があるが、抽出したSPINK1と結合するタンパクを、再び液体クロマトグラフ・質量分析計(LC-MS)を用いて網羅的に解析を進めていく。
SPINK1は膵臓以外にも消化管や泌尿器系、生殖器系にも発現が見られる。SPINK1は精嚢にも強発現しているが、Spink3コンディショナルKOマウスにおいて妊孕性に問題はなかった。他臓器におけるSPINK1の役割についても同時に解析を進めていきたい。

次年度使用額が生じた理由

膵臓でのみSPINK1が発現するマウスの作成が大幅に遅延し、計画が大幅に後れを取ってしまったため。

次年度使用額の使用計画

本年度作成した膵臓でのみSPINK1発現をレスキューしたマウスヲ用いて実験を進める予定であり、本年度以上に試薬をしようする予定である。その費用に充てる。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2015 2014

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件)

  • [雑誌論文] Repeated recurrence of a gastric gastrointestinal stromal tumor on the chest wall after initial curative resection: Report of a case2015

    • 著者名/発表者名
      Iwatsuki M, Takamori H, Eto K, Shimizu K, Ogawa K, Yamamura K, Ozaki N, Tanaka H, Sugiyama S, Ogata K, Doi K, Kamio T, Baba H
    • 雑誌名

      Int J Surg Case Rep

      巻: 6C ページ: 36-9

    • DOI

      10.1016/j.ijscr.2014.11.033

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Simultaneous total laparoscopic curative resection for synchronous gastric, cecal and rectal cancer: Report of a case2015

    • 著者名/発表者名
      Iwatsuki M, Tanaka H, Shimizu K, Ogawa K, Yamamura K, Ozaki N, Sugiyama S, Ogata K, Doi K, Baba H, Takamori H
    • 雑誌名

      Int J Surg Case Rep

      巻: 6C ページ: 129-32

    • DOI

      10.1016/j.ijscr.2014.11.065

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Definitive diagnosis of a duplicate gallbladder can only be made intraoperatively: report of a case2014

    • 著者名/発表者名
      Ozaki N, Hashimoto D, Ikuta Y, Chikamoto A, Takamori H, Baba H
    • 雑誌名

      Clin J Gastroenterol

      巻: 7(4) ページ: 338-41

    • DOI

      10.1007/s12328-014-0494-2

    • 査読あり

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公開日: 2016-05-27  

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