研究課題/領域番号 |
25462037
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
和田 則仁 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (40256087)
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研究分担者 |
林田 哲 慶應義塾大学, 医学部, 助教 (80327543)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 胃癌 / リンパ節転移 / リンパ管新生 / HOXB9 / 上皮間葉移行 / 浸潤能 |
研究概要 |
当初の仮説通り、HOXB9とリンパ節転移、リンパ管浸潤に関する新たな知見が得られた。これは胃癌が早期からリンパ節転移をきたすことを説明しうる1つの現象と考えられた。EMT誘導因子のHOXB9発現とリンパ管浸潤の関連を示すデータも得られ、HOXB9の発現調節による治療的応用が期待される結果が得られた。それとともに、研究結果から癌細胞のstemnessとの関連を示唆する所見が得られたため、26年度以降、この面での検討を進める予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
臨床検体の検討では、当院における胃癌手術検体で、免疫染色によりHOXB9の発現と、癌細胞の浸潤形態とを比較検討し、EMTとの関連を検討し、さらに臨床病理学的因子(T, N, M, ly, v, 予後など)との相関をみた。リンパ管新生に関して、D2-40の免疫染色により組織学的評価を行った。 In vitroでは、上図のごとくqRT-PCRにてHOXB9の発現が低くepithelialな形質を有する胃癌細胞株TMK-1にHOXB9遺伝子(コントロールはLacZ遺伝子)を導入した。HOXB9を恒常的に高発現するTMK-1/HOXB9と、テトラサイクリン発現誘導システム(Tet-On® 3G 発現誘導システム、タカラバイオ(株))によりHOXB9発現を調節可能なTMK-1/TR/HOXB9の2種類の細胞を作成した。In vivoでは、免疫不全マウス(SCID)のxenograftモデルを作成したが、腫瘍の発育が遅く評価に堪えないものであった。
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今後の研究の推進方策 |
当初の仮説通り、HOXB9とリンパ節転移、リンパ管浸潤に関する新たな知見が得られた。それとともに、研究結果から癌細胞のstemnessとの関連を示唆する所見が得られたため、26年度以降、この面での検討も合わせて進める予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
直接経費130万円のうち、4万数千円を残し、適切に研究のために使用した。 未使用額は効率的な物品調達を行った結果として発生したものである。 繰り越された数万円は、次年度の研究費と合わせて実験のための消耗品に使用する予定である。
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