研究課題
本研究では、胃癌の上皮間葉移行(EMT)を制御することで、リンパ行性転移を抑制することで胃癌の新たな治療戦略を開拓することを目指した。本研究はHOXB9に着目した。HOXB9発現は、69症例の切除検体の免疫染色の臨床病理学的検討から、壁深達度(T)、リンパ節転移(N)、リンパ管浸潤(ly)、血管浸潤(v)と統計学的に有意な相関を認めた。またHOXB9の発現を認めた患者の予後(全生存)は不良の傾向を認めた(P=0.076)。胃癌細胞株のTMK-1を用いた検討では、HOXB9を遺伝子導入した株でVGEF-Dが高発現が認められた。我々のこれまでの大腸癌、乳癌での検討では、血管新生関連の因子の発現が亢進していたが、胃癌ではリンパ管新生関連因子が亢進しており、胃癌がリンパ行性に転移しやすい臨床的特徴と一致する結果であった。HOXB9の発現調節による治療的応用の可能性が示唆された。現在、研究結果を英文原著として投稿中である。また、現在、幹細胞性(stemness)との関連を検討しており、EMTの制御とともに胃癌の分化誘導が胃癌の悪性度を低下させる可能性がある結果を得ており、この方面で研究を進める予定である。
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すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件、 謝辞記載あり 5件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 4件、 招待講演 1件)
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