研究課題
胃癌の腹膜播種は再発頻度が高く予後不良であるため、早期診断が重要である。しかし、現在臨床で行われている腹腔洗浄細胞診は検出感度が低く、より高感度な診断法が必要である。我々はこれまで、胃癌腹膜播種に有用なマーカーに癌幹細胞マーカーを加えた遺伝子診断パネルを用いて、胃癌症例training set約300例の腹腔洗浄液を用い、腹膜再発予測および予後予測バイオマーカーとしての有用性を検討した。その結果、本遺伝子パネルの腹膜播種陽性例に対する検出感度、特異度いずれも、従来の病理診断の結果に比べて有意に高い結果を得た。さらに、癌のステージ別に検討を加えたところ、TNM stage I, II, III症例において、この診断パネル陽性例は陰性例比べ、Kaplan-Meier全生存曲線および無腹膜再発生存が有意に低値を示した。さらに、Cox比例ハザードモデルにおける多変量解析でも、これらの遺伝子マーカーは、独立した腹膜再発予測因子であることが明らかとなった。次に、新たな胃癌症例validation set約300例を対象に、遺伝子診断パネルの臨床的意義を検討したところ、同様に検討をおこなったところ、同様に腹膜再発予測および予後予測のマーカーとして有用であることが明らかとなった。さらに、TNM stage IV腹膜播種陽性症例の腹腔に、化学療法剤Paclitaxelを投与し、治療効果モニタリングマーカーとしての有用性を検討した。その結果、この遺伝子パネルは有用なモニタリングマーカーであることが明らかとなった。このように、胃癌癌幹様細胞マーカーに新たに選択した遺伝子マーカーを加えた遺伝子診断パネルは、胃癌腹膜播種の早期診断および治療効果モニタリンンぐマーカーとして、有用であることが明らかとなった。
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すべて 雑誌論文 (13件) (うち査読あり 9件、 謝辞記載あり 3件) 学会発表 (34件) (うち国際学会 6件)
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