我々は従来の癌関連マーカーに新たな癌幹細胞マーカーを加えた,胃癌腹膜播種診断用遺伝子パネルを作製し、腹膜再発予測マーカーとしての有用性を検討した。胃癌症例470例の腹腔洗浄液を用いて検討したところ、診断パネル陽性例は陰性例比べ、無腹膜再発生存率が有意に低値を示した。Cox多変量解析でも、これらの遺伝子診断マーカーは、独立した腹膜再発予測因子であることが明らかとなった。さらに化学療法剤Paclitaxelを投与した腹膜播種陽性症例で、この遺伝子パネルは播種の病態と有意な関連性を示した。我々の開発した遺伝子診断パネルは、胃癌腹膜播種の早期診断および治療効果モニタリンングに有用であることが判明した。
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