研究課題
これまで進行胃癌185例から全血、血清、尿、腫瘍組織、非癌粘膜を採取し、CE-TOFMS法、LC-TOFMCS法にてメタボローム解析を実施した。測定は既に終了しているが、これまで解析された検体における結果では、腫瘍組織においてlactateの濃度が高く、好気的解糖(Warburg effect)が優位である事が示された。また、未分化型癌においてはATPやGTPが低値を示し、解糖系の代謝産物の多くは分化型と非腫瘍組織の中間値をとるなど、分化型とは異なる傾向が認められ、分化型癌と未分化型癌では代謝を標的とした治療法の開発に際して異なるアプローチが必要となる可能性が示唆された。胃癌患者末梢血中のsplicing variantの発現に関する研究では、XIAP-associated factor 1 (XAF1)の新規splicing variantを同定し、胃癌患者末梢血中の循環腫瘍細胞においては、XAF1 variantの発現がnonsense-mediated mRNA decay (NMD)経路による調節を受けている事が認められた。また、同時に実施している網羅的遺伝子解析の検討では、188例に対して全エキソン解析並びに全遺伝子発現解析を行った。ACRG分類に従って分類するとMSI群21例、EMT群22例、TP53+群15例、TP53-群130例となり、MSI群が高齢でEMT群が若年であった。組織型はMSI群で未分化型が多く、肉眼型はEMT群で浸潤型が多く、MSI群で限局型が多かった。生存転帰の比較では、2年のCause-specific survival rateはMSI群95.5%、EMT群49.9%、TP53+群65.5%, TP53-群78.5% (log rank test; p=0.048)であり、TP53+群は、TP53-群に比して予後が悪い傾向が認められた。
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