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2015 年度 実績報告書

胃癌腹腔洗浄液および末梢血中癌細胞の検出と遺伝子解析を用いた術前化学療法薬剤選択

研究課題

研究課題/領域番号 25462043
研究機関愛知県がんセンター(研究所)

研究代表者

伊藤 誠二  愛知県がんセンター(研究所), 腫瘍病理学部, 研究員 (50393129)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワードCTC / フィルター型デバイス開発 / 転移 / CTCマウス / 分子標的治療 / Liquid biopsy / 腹腔洗浄液中がん細胞(PTC)
研究実績の概要

1.末梢血中循環がん細胞(CTC)および腹腔洗浄液中がん細胞の検出と一細胞遺伝子解析
昨年度はスライドグラス型CTC分離デバイスを用いて分離したCTCをマニピュレーターにより回収する方法を検討したが、マニピュレーターを用いた回収では操作に時間がかかり細胞に変性が生じることが明らかとなった。そこで本年度は臨床応用を踏まえ、CTC回収法を白血球の多少のコンタミがあっても迅速確実にスライドグラス上に回収する方法に変更し、そのための転写技術を開発した。これにより細胞診、免疫染色、遺伝子検査が簡便かつ高精度にできるようになった。この技術を用いてヒト胃がんCTCマウスモデルを用いてマウス血液中のCTC検出と回収に成功した。また胃がんではCTCの検出頻度が低いことが予想されたため、肝転移の多い大腸がん症例の末梢血および還流静脈血で予備的な検討を行ったところ、転写したスライドグラス上でCTC様の異型細胞を細胞診で検出できケラチン免疫染色でCTCを確認することもできた。一方、腹腔洗浄液中がん細胞(PTC)分離、回収に関しても、腹腔洗浄液中のPTCを濃縮さえできれば上記方法によりPTCの回収が簡便かつ高精度にできる可能性を示唆しており、今後の改良に期待が持てる結果であった。
以上の結果から、本デバイスと新たな転写法と組み合わせることによりCTCを高感度に分離・回収することが可能であり、細胞診、免疫染色、遺伝子検査など、いわゆるLiquid biopsyへの応用が今後十分に期待できる。
2.CTCの分子標的薬感受性の検討
トリプルネガチィブ乳がん細胞株を用いたCTCマウスモデルでパクリタキセル治療のCTCによる薬剤感受性を検討した。その結果、治療後のマウス血液からM期arrestを起こし、核分裂異常を示すCTCを多数検出することに成功し、CTCによる薬物治療早期の感受性評価の可能性が示唆された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2015

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 2件、 謝辞記載あり 1件)

  • [雑誌論文] A Case of Gastric Cancer with Residual Tumor Only in the Para-Aortic Lymph Nodes after Systemic Chemotherapy followed by Conversion Surgery.2015

    • 著者名/発表者名
      Tsutsuyama M, Ito S, Ito Y, Misawa K, Kawakami J, Natsume S, Uemura N, Kinoshita T, Kimura K, Senda Y, Abe T, Komori K, Yatabe Y, Niwa Y, Shimizu Y, Kinoshita T.
    • 雑誌名

      Case Reports in Oncology

      巻: 8 ページ: 312-322

    • DOI

      10.1159/000438698.

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Preferential HER2 expression in liver metastases and EGFR expression in peritoneal metastases in patients with advanced gastric cancer.2015

    • 著者名/発表者名
      Takuya Saito, Hayao Nakanishi, Yoshinari Mochizuki, Seiji Ito, Yuichi Ito, Kazunari Misawa, Yasushi Yatabe, Keigo Yamamichi, Eisaku Kondo.
    • 雑誌名

      Gastric Cancer

      巻: 18 ページ: 711-719

    • DOI

      10.1007/s10120-014-0417-4.

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] Neoadjuvant chemotherapy followed by surgery in gastric cancer patients with extensive lymph node metastasis.2015

    • 著者名/発表者名
      Ito S, Ito Y, Misawa K, Shimizu Y, Kinoshita T.
    • 雑誌名

      World Journal of Clinical Oncology

      巻: 6 ページ: 291-294

    • DOI

      10.5306/wjco.v6.i6.291

    • 査読あり / オープンアクセス

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公開日: 2017-01-06  

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