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2013 年度 実施状況報告書

潰瘍性大腸炎合併Dysplasiaの悪性度診断における癌幹細胞同定の有用性の検討

研究課題

研究課題/領域番号 25462046
研究機関東京大学

研究代表者

風間 伸介  東京大学, 医学部附属病院, 助教 (60401098)

研究分担者 山口 博紀  東京大学, 医学部附属病院, 講師 (20376445)
須並 英二  東京大学, 医学部附属病院, 講師 (70345205)
渡邉 聡明  東京大学, 医学部附属病院, 教授 (80210920)
研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード癌幹細胞 / CD133 / 大腸ポリープ / 異型度 / 腫瘍径
研究概要

本年度はまず大腸癌発癌過程(adenoma-carcinoma sequence)において、いつの段階でCD133が発現してくるかを検討するために、大腸ポリープにおけるCD133の免疫組織学的検討を施行した。
対象は1993年1月から1995年12月に当科で内視鏡的切除が施行された、大腸ポリープ115例を検討対象とした。方法はマウス抗CD133抗体(Miltenyi AC133 anti-cd133 mouse mAb, 100倍希釈)で大腸ポリープ検体の免疫染色を施行。5%以上で発現を認めたものを陽性とし、臨床病理学的因子との相関について検討を行った。
患者背景は男性:女性=98:17であり、年齢の中央値は57歳。局在は、右側結腸31例、左側結腸57例、直腸23例。組織型は過形成性ポリープ 6例、腺腫 88例(mild atypia 13例、moderate 71例、severe 4例)、腺癌 21例(m癌19例、sm癌2例)。またポリープ径10mm未満が64例、10mm以上が50例で、平均値は9.3mmであった。
結果は115例中14例(12.2%)でCD133が陽性であり、過形成性ポリープと腺腫(mild atypia)では陽性症例は認められず、高異型度腺腫・癌の症例(P=0.01)およびポリープ径が10mm以上の症例(P=0.03)で有意にCD133陽性となる事が判明した。以上よりCD133の発現は異型度の増強や腫瘍径の増大とともに生じる可能性が示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

予定通り進行している点:原発性大腸癌患者でのCD133の免疫染色は上記の通り進行した。
やや遅れている点:潰瘍性大腸炎長期経過患者におけるサーベイランスで肉眼的に病変を認めた場合の生検と末梢血採取の症例数が、予定では年間10例程度であったが、現在3例と遅れている。

今後の研究の推進方策

① 潰瘍性大腸炎長期経過患者のサーベイランスで肉眼的に病変を認めた場合の生検と末梢血採取を、本年は精力的に継続する。
② 潰瘍性大腸炎合併癌、合併dysplasiaで外科切除が施行された切除材料(フォルマリン固定、パラフィン包埋材料40症例)を用いた検討を行う。すなわち浸潤癌、LGD、HGD ごとのCD133発現の結果をまとめ、LGDと診断された群の中に浸潤癌、HGDに匹敵する発現を有する高悪性度の群が存在することを証明する。

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公開日: 2015-05-28  

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