研究課題/領域番号 |
25462053
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
小林 美奈子 三重大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (30359765)
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研究分担者 |
問山 裕二 三重大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (00422824)
田中 光司 三重大学, 医学部附属病院, 講師 (10345986)
小池 勇樹 三重大学, 医学部附属病院, 助教 (10555551)
毛利 靖彦 三重大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (70345974)
溝口 明 三重大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (90181916)
楠 正人 三重大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50192026)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 二光子励起顕微鏡 / 生体内イメージンング / 敗血症 / 消化管微小循環 |
研究概要 |
Lipopolysaccharide (LPS)を用いたマウス敗血症モデルにおける白血球-内皮細胞反応または白血球-血小板反応とLPSの用量反応関係を調べた。 GFPマウスにLPS を各々5mg/kg, 10mg/kg, 15mg/kg, 20mg/kg腹腔内投与し、6h, 12h, 24h, 48hに開腹、盲腸を創外に脱転し、Organ Stabilizing System(Japanese Patent No.5268282)にて固定。後毛細管細静脈における白血球-内皮細胞反応または白血球-血小板反応を、二光子励起顕微鏡を用い600倍~1200倍で生体内リアルタイムイメージングした。LPS 20mg/kg, 24h後においてマウスは活動性低下、立毛、震えを認め、敗血症モデルとして妥当と考えた。 この条件下での白血球-内皮細胞反応は二光子励起顕微鏡600倍視野(200×200マイクロメーター; field of view: FOV)で観察した後毛細管細静脈(10~50マイクロメーター)内に10~20/FOVの内皮細胞に接着する白血球を認めた。また、5~10/FOVの白血球-血小板反応を認めた。正常マウスではこれらの反応は観察されなかった。 GFPマウスにLPS 20mg/kg腹腔内投与24h後の生存率は約50%であり、生存マウスも活動性低下、立毛、震えを認め、消化管微小循環(盲腸壁内の後毛細管細静脈)において白血球-内皮細胞反応及び白血球-血小板反応を認めた。二光子励起顕微鏡下生体内イメージング中に死亡するマウスでは、動静脈の血流低下、後毛細管細静脈での白血球-血小板反応及び白血球-血小板凝集塊がto and fro movementし血管を閉塞するのが観察できた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
二光子励起顕微鏡を用い敗血症モデルマウスの消化管微小循環障害の生体内可視化を確立できた。敗血症時、どこでなにが起こっているかをマウスモデルでリアルタイムイメージングし、治療的介入によりこれら異常状態が改善する過程を観察する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
マウス敗血症モデルの消化管微小循環で生じている事象(白血球-内皮細胞反応及び白血球-血小板反応など)を定量化し、様々な 治療的介入によりこれらの事象が統計学的有意差をもって減少するかどうかを検討する。
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次年度の研究費の使用計画 |
研究消耗品使用状況が予定より少なかったため 次年度使用額が生じないような研究費適正使用に留意する。
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