研究課題
Lpopolysaccharide (LPS)を用いたマウス敗血症モデルを用い、組織微小循環における白血球-血小板-血管内皮細胞の相互作用を二光子励起顕微鏡下で生体内リアルタイムイメージングする方法を確立できた。GFPマウスにLPS (B4) 20mg/kg腹腔内投与24h後の生存率は約50%であるが、生存マウスでは活動性低下、立毛、震えを認め、消化管微小循環(盲腸壁内の後毛細管細静脈)において高率に白血球-内皮細胞反応及び白血球-血小板反応を観察できた。さらに、核酸蛍光染色剤(SYTOX Orange)を静脈内投与することでdouble strand DNA (dsDNA)を染色・可視化できることから、白血球-内皮細胞反応及び白血球-血小板反応で惹起されるNeutrophil Extracellular Traps(NETs)を可視化できた。好中球から放出されたNETsは、1)好中球周囲の細菌をトラップする (anchored NETs)、2)好中球から離れた部位の細菌をトラップする (cell-free NETs)として生体内リアルタイムイメージングできた。さらに、anchored NETsはlinear form、reticular form、membranous form、spot-like structure formに分類できた。cell-free NETsは、fragmented form、cotton-like structure formに分類できた。敗血症の標的臓器である、肝と肺の組織微小循環の生体内リアルタイムイメージングでは、白血球-内皮細胞反応及び白血球-血小板反応だけでなくNETsも観察され、NETsが血管内皮細胞に接着し、血栓形成の核となる可能性やNETsが白血球-血小板凝集塊の核となる可能性が示唆された。すなわち、NETsは血管内皮-血球反応と相互作用し細動脈及び細静脈閉塞による末梢循環障害を引き起こしている可能性が示唆された。
すべて 2015
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)
J Surg Res.
巻: 195 ページ: 188-195
10.1016/j.jss.2014.05.016.