研究課題/領域番号 |
25462065
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研究機関 | 獨協医科大学 |
研究代表者 |
山口 悟 獨協医科大学, 医学部, 准教授 (20344947)
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研究分担者 |
加藤 広行 獨協医科大学, 医学部, 教授 (70224532)
中島 政信 獨協医科大学, 医学部, 准教授 (40451710)
尾形 英生 獨協医科大学, 医学部, 講師 (80524941)
勝又 大輔 獨協医科大学, 医学部, 助教 (20458376)
志田 陽介 獨協医科大学, 医学部, 助教 (70621655)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 大腸癌 / 化学療法 |
研究概要 |
2013年度は、先立って、対象症例の一部にあたる症例群で臨床病理学的検討を詳細に行い、治療効果とCarcinoembryonic antigenとの相関を詳細に解析し論文投稿した。 2008年6月から2012年7月までに経験したstage IV大腸癌40例を対象とした。我々は、従来から切除不能大腸癌に対しても積極的に原発巣を切除しその後に化学療法を施行している。術後にベバシズマブ併用mFOLFOX6/XELOX療法を施行することとし、リンパ節郭清を伴う原発巣切除を施行、可及的早期に化学療法を開始した。今回、その治療成績を有効性・安全性の面から検討した。またあわせて治療開始早期のCEA値変化を検討した。 年齢は中央値59歳。男女比は27:13。原発巣は右側結腸11例、左側結腸9例、直腸20例。転移巣はのべ54臓器。転移臓器数は1臓器が28例で最多で、多臓器が12例。組織型は33例が分化型腺癌であり、低分化腺癌・粘液癌などが7例。一次治療施行サイクルの中央値は10.1サイクル。全症例の観察期間中央値は16.3か月。効果判定における最良治療効果は、RR50%、DCR78%。CEAは陽性率87%。治療前の値との比を算出し、CEA ratioと定義し抗腫瘍効果や生存期間との相関を検討した。CEA比1.0で2群に分け、全生存期間を検討すると、中央値32.1か月対15.3か月で1.0以下となった群が予後良好な傾向にあった。 以上の結果はHepatogastroenterology誌に投稿し受理された。 平行して、適切な染色条件を決定するためにコントロールの免疫染色を行っている。現在条件は定まっていないが、定まり次第予定された検体で検討する予定。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究は化学療法感受性を目的としているものであるが、現状では至適な染色条件が定まっておらず、評価ができていない。症例の集積解析は進んであり、上述の如く、腫瘍マーカー値による効果予測を投稿した。 並行して消化管がんにおける予後不良グループの拾い上げとしてp53の下流で新規Akt抑制経路によりAktを抑制するPHLDA3遺伝子異常の解析とケモカインおよびケモカインレセプターの解析を行った。 ①では食道癌症例において癌部のPHDLA3高発現症例では全生存期間および無病生存期間が延長していた。 ②においては胃癌においてCXCL12とCXCR4の同時発現群と単独発現群の生存率にCY1のためR1となったStageIVにおいては同時発現群の予後は極めて不良であった。 いずれも査読のある英文誌へ投稿中。
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今後の研究の推進方策 |
RAD51、MRE11ともに基礎検討を続けており、条件を定め検討する。
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度に免疫染色関連試薬を購入することとした為。 引き続き化学療法感受性・不応例の差異を検討していく。
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