研究課題/領域番号 |
25462065
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研究機関 | 獨協医科大学 |
研究代表者 |
山口 悟 獨協医科大学, 医学部, 准教授 (20344947)
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研究分担者 |
加藤 広行 獨協医科大学, 医学部, 教授 (70224532)
中島 政信 獨協医科大学, 医学部, 准教授 (40451710)
尾形 英生 獨協医科大学, 医学部, 講師 (80524941)
勝又 大輔 獨協医科大学, 医学部, 助教 (20458376) [辞退]
志田 陽介 獨協医科大学, 医学部, 助教 (70621655)
井原 啓佑 獨協医科大学, 医学部, 助教 (00621658)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 大腸癌 / 化学療法 / 制癌剤感受性 |
研究実績の概要 |
前年度に検討を行ったRAD51、MRE11切除不能進行再発大腸癌化学療法における感受性予測のデータを整理し、Oncology Reports誌に投稿し、2016年3月に出版された。 2015年度はさらにMRE11に対してフォーカスを当て、蛋白発現のみでなく、MRE11が持つタンデムリピートにおける遺伝子変異と化学療法感受性に関して検討を行った。 2007年から2013年に原発巣の切除がなされた進行再発大腸癌患者のうち、治癒切除不能因子を持つ75例を対象とした。MRE11は大腸癌において変異があることが報告されており、組織切片よりDNAを抽出し、ダイレクトシーケンス法により変異の有無を確認した。MRE11の蛋白発現に関して、既に免疫組織化学染色を行い検討しており、それらの組み合わせと臨床病理学的因子や治療効果との関連を検討した。全生存期間の中央値は32.5ヶ月であった。ダイレクトシーケンス法によるMRE11の遺伝子変異解析を行ったところ、変異は50.7%の症例に認めた。MRE11変異型は左側大腸癌に多く存在し、血清CEA値減少、標的病変縮小は野生型に比べ、変異型で得られる傾向を認めた。既に検討してあるMRE11蛋白発現との組み合わせで検討を行った。免疫組織化学染色で陰性かつ変異型と診断された群を”defect”、それ以外を ”abundant”とする2群にわけ、結果を解析したところ、”defect” 群は統計学的有意差をもって生存期間の延長を得られる結果となった(p=0.03)。切除不能進行・再発大腸癌原発巣におけるMRE11の発現は化学療法感受性や予後予測の指標となる可能性が示唆された。 上述の結果は学会発表を通じてブラッシュアップし、英文論文化を検討している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
今年度はMRE11の発現と変異に関する知見が得られた。さらに簡便に修復能が推定できるかの検討を行う予定であったが、次年度に開始予定である。
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今後の研究の推進方策 |
相同組み換え修復に関する蛋白発現および変異が化学療法感受性と関連することが、さらに示された。今後は結合因子であるNBS1の検討や補助療法における効果予測を行っていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
11054円の前年度未使用額がある。昨年度に修復能をより簡便に推定できるか否かの検討に着手予定であったが、MRE11にフォーカスを当て、さらに検討することになった。次年度に必要試薬等の購入に充てたい。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度に試薬等の購入に充てたい。
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