研究分担者 |
加藤 広行 獨協医科大学, 医学部, 教授 (70224532)
中島 政信 獨協医科大学, 医学部, 准教授 (40451710)
尾形 英生 獨協医科大学, 医学部, 講師 (80524941)
勝又 大輔 獨協医科大学, 医学部, 講師 (20458376) [辞退]
志田 陽介 獨協医科大学, 医学部, 助教 (70621655)
井原 啓佑 獨協医科大学, 医学部, 助教 (00621658)
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研究実績の概要 |
進行再発大腸癌原発巣におけるRAD51およびMRE11の免疫染色結果と化学療法感受性は「Expression of DNA double-strand break repair proteins predicts the response and prognosis of colorectal cancer patients undergoing oxaliplatin-based chemotherapy.」というタイトルでOncology Report誌に掲載された。 2007年から2013年に原発巣の切除がなされた進行再発大腸癌患者のうち、治癒切除不能因子を持つ左側大腸癌58例を対象とした。DSB修復タンパクであるMRE11とRAD51について、治療前の検体を用いて免疫組織化学染色を行い切除不能進行・再発大腸癌における発現を確認した。RAD51、MRE11ともに陰性、RAD51、MRE11のいずれかが陽性の場合、”defevtive pattern”。ともに陽性の場合を”abundant pattern” とする2群に分け、臨床病理学的因子や治療効果との関連を検討した。RAD51, MRE11はそれぞれ陰性群のほうが陽性群にくらべ、標的病変の縮小が得られる結果となった (p<0.001、p=0.029)。COX比例ハザードモデルによる多変量解析ではDSB修復タンパク発現パターンは単独で予後を規定する因子となり得た (HR3.62, p=0.036)。RAD51、MRE11によるDSB修復タンパク発現パターンは左側大腸癌化学療法の感受性と予後を規定する可能性を示唆した。 以上のように左側大腸癌においてはDNA修復タンパク質であるRAD51およびMRE11が制癌剤効果と密接に関連している可能性がある。今後のオーダーメイド医療の発展に役立つ可能性がある。
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