研究課題/領域番号 |
25462074
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研究機関 | 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究 |
研究代表者 |
神藤 英二 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究, 病院, 講師 (30626619)
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研究分担者 |
林 克己 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究, 病院, 講師 (10532517)
長谷 和生 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究, 医学教育部医学科専門課程, 教授 (50511268)
上野 秀樹 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究, 病院, 講師 (90597535)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 直腸癌 / 術前化学放射線療法 / 効果予測 |
研究概要 |
本研究では、【検討A】直腸癌に対する化学放射線療法(CRT)効果予測因子としてのCD133/COX-2/TIL発現の意義の検証(前向き試験)と【検討B】長期成績を基にしたCRTの予後改善効果の解析、および有効症例の選別(後向き研究)、を平行して実施している。 【検討A】では、CRT前内視鏡下生検組織内におけるCD133/COX-2/TILの評価を実施し、切除検体から治療効果を評価、治療前に評価した因子が効果予測因子となりうるか検討する。【検討B】では、CRT例(下部直腸癌)についてはCRT前、CRT未実施例については術前の内視鏡下生検組織に対しCD133、COX-2、TILの他、幹細胞マーカー、浸潤マーカー、血管新生因子、上皮間葉転換のマーカーなど、幅広く免疫染色を施行。CRTを施行することで予後改善効果が認められる症例の特徴について検討する。 研究開始後1年が経過し、【検討B】(後ろ向き研究)では、1996-2007年に下部直腸癌で手術が行われた症例(CRT症例80例、未実施例60例)の臨床経過の調査を終了した。CRT例についてはCRT前、CRT未実施例については術前の内視鏡下生検組織のブロック140ケの薄切を実施した。 【検討A】の前向き試験では、計画していた治療方法(イリノテカン+TS-1+放射線45Gy)により研究を進めたが、合併症が高率に認められたため、試験を一時中断した。抗がん剤の投与内容を変更し(イリノテカン投与を中止し、TS-1単剤とする)新たに治療計画を作成するとともに、12月に倫理委員会への申請を行った。2月に倫理委員会から承認が得られたため、新しい内容での治療方法をスタート、研究を再開している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
計画していた術前化学放射線療法は合併症が高率に発症、治療方法の変更を余儀なくされた。新たな治療方法につき倫理委員会の承認を得るのに時間を要したため、前向き研究はやや遅れている。ただし、後ろ向き研究については計画通り進行しており、今後の成果が期待できる。
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今後の研究の推進方策 |
新たな術前化学放射線療法は安全性が高いことが多くの報告で確認されている。今後、症例数を増やすことで、前向き研究についてもデータの蓄積が可能と思われる。引き続き、CD133/COX-2/TILの治療効果予測因子としての意義の検証を進める。 後ろ向き研究についてはすでに薄切が終了している。免疫組織化学染色の手法により幹細胞マーカー・リンパ球マーカー・血管新生因子のマーカー・浸潤に関するマーカー・細胞接着に関するマーカー・細胞増殖に関するマーカー・細胞周期に関するマーカー・アポトーシスに関するマーカー・間質の組成などについて検索、CRTの組織学的効果の期待できる症例群の特徴を明らかにする
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次年度の研究費の使用計画 |
術前化学放射線療法の副作用のため、治療内容の変更が必要となり、その倫理委員会承認に時間を要した。消耗品の購入量が予定より少なくなっている。今後、症例数の増加により、消耗品の購入が必要となり、使用する予定である。 消耗品として、主に1次抗体、2次抗体、プレパラートが必要となる。その他、学会参加費あるいは人件費の使用を見積もる。
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