研究課題
本研究では【検討A】CD133/COX-2/TILの治療効果予測因子としての意義の検証(前向き試験)と【検討B】長期成績を基にしたCRTの予後改善効果の解析、および有効症例の選別(後向き研究)、を平行しておこなった。【検討A】では、CRT前内視鏡下生検組織内における①癌細胞のCD133発現②癌細胞のCOX-2発現③間質におけるリンパ球浸潤の評価を実施し、切除検体から治療効果を評価、治療前に評価した因子が効果予測因子となりうるか検討した。結果、これらの3因子はそれぞれ前向き検討においても効果予測因子として有用であることが示され、2015年の日本外科学会において「内視鏡下生検組織を利用した直腸癌術前化学放射線療法の治療効果予測―短期照射例の結果を基にした長期照射例の前向き検討―」との演題名で報告した。【検討B】では、CRTを施行することで予後改善効果が認められる症例の特徴として、CD133、SOX2、Oct4、c-mycなどの癌幹細胞マーカーの意義が明らかっとなり、2014年大腸癌研究会において「直腸癌に対する術前化学放射線療法の局所制御効果予測―側方転移陽性症例に着目して―」を報告、大腸癌研究会優秀発表賞に選出され、大腸疾患NOW2015において論文化した(「直腸癌に対する術前化学放射線療法の局所制御効果予測」、163-168, 2015年1月, 日本メディカルセンター、東京)。今後前向き試験の症例のデータを使用し、確認を行いたい。また、CRT前後のリンパ球浸潤に焦点をあて、効果予測因子としての意義および術後予後予測因子としての意義が顕著であることから、論文を作成し報告している。Shinto E, Hase K, Hashiguchi Y. CD8+ and FOXP3+ tumor-infiltrating T cells before and after chemoradiotherapy for rectal cancer. Ann Surg Oncol. 2014 Jun;21 Suppl 3:S414-21。
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