本研究の目的は、大腸癌において実効性の高い術後再発予測法を確立することである。複数の新しい5つの病理学的指標の候補について独自の評価法を構築したところ、既存の因子を凌駕する予後因子が存在すること、これらを用いたNomogramは良好な予後予測能を有することが示された。本研究の結果は、今後国内で新たに開始される臨床試験で検証される予定であり、また現在、新しい臨床試験の研究計画作成の礎としても活用されている。一方、本研究成果は海外の研究者にも注目され、今後8か国での国際共同研究が開始される。このような国内外の取り組みを通じて、今後大腸癌の実臨床における個別化治療が確立されることが期待される。
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