我々はATP感受性カリウム(K-ATP)チャネルがラット肝細胞のミトコンドリアに存在し、チャネルオープナーのジアゾキシド(Dz)が肝切除後の残肝増殖能を亢進すること、およびDzが細胞内Caイオン貯留臓器からのCaイオン放出を抑制することを報告した。今回、Dzが肝増殖に寄与する理由を解明するため、遺伝子発現解析を行った。結果、Dz群では細胞内Ca動態に関与するRyR2とcalmodulinの発現が有意に低下していた。アポトーシス関連では、caspase-3とBAXに変化を認めた。DNAマイクロアレイでは細胞接着因子や神経因子等の上昇も認め、それらが残肝増殖に寄与していることが示唆された。
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