研究課題/領域番号 |
25462081
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
大塚 将之 千葉大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (90334185)
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研究分担者 |
岡村 大樹 千葉大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任講師 (50375698)
吉富 秀幸 千葉大学, 医学部附属病院, 講師 (60375631)
宮崎 勝 千葉大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (70166156)
清水 宏明 千葉大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (80272318)
中島 正之 千葉大学, 医学部附属病院, 助教 (80466705) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | de novo癌 / 肝内胆管癌 / 肝細胞癌 / 分化・脱分化 / 癌源細胞 |
研究実績の概要 |
induced pluripotent stem cells (iPS細胞)の確立以来,終末分化をとげた細胞のリプログラミングで幹細胞が誘導しうることが示された。肝臓でも成熟肝細胞の脱分化から前駆細胞が誘導されること,また肝細胞癌細胞の脱分化で癌源細胞(tumor-initiating cells)が誘導されることが主にin vitroで示されている。in vivoでも成熟肝・胆管細胞の脱分化から癌源細胞(de novo癌)が誘導され,また,原発性肝癌内でも癌源細胞を中心にダイナミックに分化・脱分化が起こり,腫瘍のheterogeneityあるいは外科治療後の再発に関連している可能性がある。昨年度までに肝内胆管癌切除症例において,主に肝細胞癌の脱分化に関与し癌源細胞を誘導しているとされるgankyrinに注目して解析,gankyrinの発現と,肝前駆細胞あるいは原発性肝癌癌源細胞の表面マーカーであるOct4,OV6の発現には正の相関があり,肝内胆管癌細胞株においては,gankyrinの発現をknockdownすることによってOct4の発現減弱、OV6陽性細胞数の減少がみられるとともにsphere形成能の減弱も見出した。今年度は,その発癌にウイルスの関与しないnonBnonCの背景肝に発生した肝細胞癌(NBNC HCC)について注目し,gankyrinの発現とそれを制御しているとされるmicroRNA214について解析を加えた。その結果,NBNC HCCではmicroRNA214がdownregulateされており,microRNA214低発現症例ではgankyrinが高発現している症例が多いことが,mRNAおよびタンパクレベルで明らかになった。さらに肝細胞癌細胞株にてmicroRNA214を強制発現させるとgankyrinの発現が低下し,Oct4やCD133発現細胞数の減弱が認められることを明らかにした。
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