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2013 年度 実施状況報告書

ヒトiPS細胞由来肝細胞株の樹立による革新的なハイブリッド型人工肝臓の開発

研究課題

研究課題/領域番号 25462093
研究機関九州大学

研究代表者

山下 洋市  九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 診療講師 (00404070)

研究分担者 米満 吉和  九州大学, 薬学研究科(研究院), 教授 (40315065)
池田 哲夫  九州大学, 大学病院, 准教授 (60585701)
調 憲  九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (70264025)
前原 喜彦  九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (80165662)
研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワードヒトiPS細胞 / 人工肝臓
研究概要

【ヒトiPS細胞由来高分化肝細胞株の樹立】ヒト臍帯血CD34+細胞にセンダイウイルスベクターを用いてNanog、SOX2、Oct3/4、TRA1-81、SSEA-4を導入してiPS細胞を樹立した。Activin AやbFGFを用いてHepatic Endodermへ分化させ、FH1により肝細胞へ分化させる事に成功した。RT-PCRによりAlb、HNF4α、Apolipoprotein Fなど肝特異的遺伝子の発現を確認した。また、アンモニア代謝も250μg/dl/dayと肝初代培養と比較しても遜色ないレベルである事を確認した。ヒト初代肝細胞とiPS細胞のハイブリドーマに関する研究に進捗なし。ヒト由来細胞を用いたダイレクトプログラミングによる肝細胞分化に関する研究も進捗なし。
【脱細胞鋳型肝臓を用いた埋め込み型人工肝臓の研究】
ラット肝右葉にTriton-Xを還流させる事により、脱細胞鋳型肝臓を作製した。これを用いた埋め込み型人工肝臓の作製を目指す。この脱細胞鋳型肝臓は従来のSDS還流鋳型肝臓と比較すると肝末梢の微細な構造を維持する事ができる。鋳型肝臓の問題点はその脆弱性であるが、肝臓の外壁をフィブリンなどで補強する事によりある程度の肝循環に耐えられるようになった。この鋳型肝臓にコラーゲン包埋ラット初代肝細胞を注入して無アルブミンラットで体外循環に供した所、血中アルブミンの上昇が確認できた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

【ヒトiPS細胞由来高分化肝細胞株の樹立】肝臓の機能は多岐に渡り、その機能を評価することは多方面からのアプローチが必要である。しかし、人工肝臓の機能として最も重要と考えられる「解毒能」の評価となるアンモニア代謝を確認できた事は非常に有意義である。この細胞が本研究の基盤となる可能性は高い。
【ハイブリッド型人工肝臓の研究】埋め込み型人工肝臓が究極の目的である。最も懸念された血流再開時の外壁の脆弱性克服の可能性が出てきた事は非常に大きい成果である。

今後の研究の推進方策

【ヒトiPS細胞由来高分化肝細胞株の樹立】今回樹立した細胞の機能解析を更に進める(リドカイン代謝、CYP関連、アンモニア代謝時の尿素合成)。3次元培養による肝細胞機能向上などに関して検討する。
【ハイブリッド型人工肝臓の研究】脱細胞鋳型肝臓の外壁強化を実地臨床でも用いられている「PVA+フィブリン+トロンビン」を塗布する事により実現する。また、脱細胞鋳型肝臓にヒトiPS細胞由来高分化肝細胞株を播種して、埋め込み型肝臓のプロトタイプを作製する。

次年度の研究費の使用計画

当初予定していた「iPS細胞由来分化肝細胞の3次元培養に関する研究」が当該年度では行えなかったため。
当初予定していた「iPS細胞由来分化肝細胞の3次元培養に関する研究」を次年度行う為に必要な試薬を次年度繰越額200,000円で購入する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2013

すべて 学会発表 (2件) (うち招待講演 2件)

  • [学会発表] 「肝胆膵外科における医工連携の未来」2013

    • 著者名/発表者名
      山下 洋市、調 憲、米満 吉和、白木川 奈菜、井嶋 博之、前原 喜彦など
    • 学会等名
      INCHEM TOKYO 2013 産学官マッチングフォーラム
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      20131030-20131101
    • 招待講演
  • [学会発表] 「肝胆膵外科における医工連携の未来」2013

    • 著者名/発表者名
      山下 洋市、調 憲、米満 吉和、白木川 奈菜、井嶋 博之、前原 喜彦など
    • 学会等名
      化学工学会第45回秋期大会
    • 発表場所
      岡山
    • 年月日
      20130916-20130918
    • 招待講演

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公開日: 2015-05-28  

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