研究課題/領域番号 |
25462097
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
山之内 孝彰 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (10448508)
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研究分担者 |
堺 裕輔 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (10608904)
江口 晋 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (80404218)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 再生医療 / 脂肪由来幹細胞 / 肝放射線照射 / 増殖刺激 |
研究概要 |
1)当初の予定通り、レシピエントラットに「門脈枝結紮+肝x線照射」の前処置を加えた。2)ドナー腹腔内脂肪より分離した新鮮なADMSCを10,000,000個、前処置後のレシピエントラット脾臓へ移植した。コントロールとしてはドナー肝から分離した肝細胞を移植した。3)8週後、犠牲死し、摘出肝から作成した凍結切片をDPP IV化学染色に供した。 肝細胞を移植したコントロールでは、ドナー肝細胞は著明な増殖を認め、レシピエント肝細胞を置換した。しかしADMSC移植群では、ドナー細胞はレシピエント肝内へ生着し、肝細胞への分化を示唆するものの、その数はわずかであった。新鮮なADMSC移植では、肝再生刺激下でも十分な数の分化肝細胞を得ることは出来なかった。今後は、同様な前処置を行ったレシピエントラットに対して、ドナーより採取のADMSCをin vitroで肝細胞へ分化誘導させた後、移植する実験を行う予定である
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
まず、基礎実験として、freshなADMSCを増殖刺激を加えたレシピエント肝内へ移植した。今後は、同様な前処置を行ったレシピエントラットに対して、ドナーより採取のADMSCをin vitroで肝細胞へ分化誘導させた後、移植する実験を行う予定である。
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今後の研究の推進方策 |
未分化状態のADMSCは、再生刺激が存在する肝内で肝細胞(様細胞)に分化することが示唆された。ADMSCは脂肪内に存在し、骨髄中に存在する組織幹細胞に比較して、採取が容易、大量に採取可能、という利点を有している。将来の臨床応用への期待もあるが、肝疾患治療という目標達成には、今回の検討では、生着した細胞数が不十分であった。今後、①移植細胞の生着率の向上(細胞接着因子の利用、移植部位の見直し、等)、② in vitroで肝細胞分化後に移植を行う、等の工夫を要すると考える。
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次年度の研究費の使用計画 |
当該年度では、freshなADMSCを移植する基礎実験までしか施行しなかったため。 ADMSCをin vitroで肝細胞様細胞へ分化させた後、前処置を加えたレシピエントラットへ移植を行う予定。
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