研究課題/領域番号 |
25462098
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
藏元 一崇 熊本大学, 医学部附属病院, 非常勤診療医師 (10646441)
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研究分担者 |
今井 克憲 熊本大学, 医学部附属病院, 非常勤診療医師 (60555746)
別府 透 熊本大学, 医学部附属病院, 特任教授 (70301372)
橋本 大輔 熊本大学, 医学部附属病院, 助教 (80508507)
林 洋光 熊本大学, 大学院生命科学研究部, 助教 (80625773)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 肝細胞癌 / TGF-beta / Hippo-pathway / 浸潤・転移 |
研究概要 |
肝細胞癌は肝癌の95%を占め、全癌死の10%を占める主な癌死因となっている。最近では生活習慣病患者に伴う肝発癌の増加が指摘されており、さらなる肝細胞癌進展の機構解明ひいては新規治療戦略の構築が必要である。Transforming growth factor (TGF)-β-Smadシグナルは癌細胞に対しては上皮間葉転換Epithelial-mesenchymal transition (EMT)を誘導し、癌の浸潤・転移に関与する。申請者らのこれまでの実験結果に基づき、腫瘍抑制シグナルHippo pathway の構成成分TAZを介したTGF-β-Smadシグナルを抑制することで肝細胞癌の進展が抑制される、という仮説を立てた。これまでに、肝細胞癌におけるTAZの免疫染色において約半数でTAZの発現を認め、また癌部の凍結標本から抽出したRNAにおけるTAZmRNAレベルの高発現が予後不良因子であることを確認している。In vitroの実験においてはTAZ高発現肝細胞癌株HepG2において、si-RNAによるTAZの発現抑制による細胞増殖能が低下することを確認した。さらにTAZの発現抑制によりwesternb lotによりAktのリン酸化が抑制され、Erk1/2のリン酸化は影響されなかった。すなわち、TAZはPI3K/Akt pathwayを介して肝細胞癌の増殖に関与している可能性が示唆され、TAZが肝細胞癌の治療戦略において新しい治療ターゲットになりえる可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画書に提出した4項目の研究項目に対して現在2項目まで検証が終了しており、おおむね順調と判断する。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き研究を遂行し、提出した4項目の研究項目のうち残り2項目について検証を進める。
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次年度の研究費の使用計画 |
消耗品等、比較的安価で購入でき、また医局内保管のものを使用できたため。 研究関連の消耗品購入費用のほか、研究発表のための旅費および関連試料のファイリング、実験結果のまとめ、保管を行ってもらうための人件費に充てる予定である。
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