肝虚血再潅流障害後の肝修復過程が阻害されると、肝障害の遷延化や肝不全に至る。そこで、肝虚血再潅流障害後の肝組織制御機構におけるロイコトリエン(LT)B4とその受容体(BLT1)シグナルの役割を解明することを目的に本研究を遂行した。その結果、肝虚血再潅流後の肝組織修復過程にはBLT1受容体シグナルを介してマクロファージが障害肝に集積し、上皮増殖因子EGFを産生することで肝修復が促進していることが示唆された。このことから、内因性LTB4はBLT1受容体シグナルを介して肝障害後の肝修復に重要な役割を果たす脂質メディエーターである可能性が示された。
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